需給動向 国内 |
震災後、東京市場の豚上場頭数が大幅に増加 |
3月11日に発生した東日本大震災は、豚肉の出荷動向にも大きな影響を及ぼしている。 農林水産省「食肉卸売市場調査(日別)」によると、東京市場における3月の1日当たり平均上場頭数は、震災後は震災前に比べて63%上回る1,131頭となった。特に、18日からは連日1,400頭台と通常の2倍の取引で推移した。取引頭数が大きく増加した要因は、震災およびその後の計画停電により、東北、北関東の食肉処理場の稼働率が大幅に低下したため、東京市場に出荷が集中したことにある。また、東京市場関係者によると、取引された枝肉の中には、通常より重量が小さめのものが多く見受けられた。これは、配合飼料工場の多くが被害を受け、飼料の供給が十分でないまま出荷されたためと考えられる。 こうした上場頭数の大幅な増加により、豚の枝肉取引価格は値下がりした。東京市場における3月の省令価格の推移を見ると、15日にはキログラム当たり565円だったものが、28日に411円、29日には大阪市場に比べて141円安い409円まで値を下げた。決算期を控え在庫を抱えたくないという需要者側の思惑が働いたことも、価格低下の一因とみられる。 その後、東北、北関東の食肉処理場が徐々に操業を再開したことから、上場頭数は減少し、省令価格は4月5日には506円まで上昇した。市場関係者によると、枝肉重量も通常の水準に回復し、肉質からみても通常の集荷に戻りつつある。4月以降は、決算期が終わり、震災直後の自粛ムードもある程度緩和され、需要の回復も期待できるのではないかとしている(図2)。
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