需給動向 国内 |
輸入鶏肉調製品は過去最高 |
財務省「貿易統計」の23年8月の鶏肉輸入量は5カ月連続で4万トン台を上回り、4万8千トン(前年同月比29.8%増)と大幅な増加となった。年度累計では21万7千トン(同19.9%増)となり、年度総量が40万トンを上回った昨年度を上回る勢いとなっている。さらに鶏肉調製品については、4万トン(同14.9%増)と過去最高水準となり、鶏肉と鶏肉調製品を合わせた総輸入量は8万7千トンとなった。 これに伴い、鶏肉推定在庫量(機構調べ)は、14万4千トンと前年同月を19.9%上回った。このうち国産品は2万8千トン(同1.3%減)と前年割れが続く一方で、輸入品は同26.6%増の11万6千トンと大幅に増加し、3カ月連続で10万トン超を記録した。 一方、鶏肉生産量(機構算出)は、高病原性鳥インフルエンザや東日本大震災以降、9カ月ぶりに前年同月比1.5%増の11万3千トンとなり、主産地での復興も進み生産量は回復傾向にある(図4)。
8月の国産鶏肉卸売価格は、もも肉がキログラム当たり595円(前年同月比10.0%高)、むね肉は同273円(同9.0%高)と高値で推移している。年度平均(4〜9月(速報値)ではもも肉が同646円(同7.2%高)、むね肉が同273円(同18.4%高)とむね肉は大幅な値上げとなっている。今後、需要に見合う国内生産量が増加するにともない、価格は落ち着いてくると思われるが、年末の最需要期を前に、輸入在庫量の積み増しによる供給過多により、需給バランスが崩れることのないよう、輸入量の動行が注目される。 |
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