需給動向 海外 |
ブロイラー生産量は上昇基調、国内価格の上昇は一服 |
8月以降も代替需要の増加タイの鶏肉生産量は、国内需要の増加により2011年1〜4月は前年を上回る7600万〜7900万羽台で推移した。5月以降は豚肉価格の高騰による鶏肉への代替需要が高まったため、5月は前年同月比4.2%増の8285万羽、6月は同5.0%増の8077万羽、7月は同7.3%増の8750万羽と、15カ月連続で前年を上回った。 7月の国内消費量は前月比15%増の7万6千トンとなり、今後も豚肉の高値が見込まれることから、引き続き鶏肉への消費シフトが見込まれる。 ブロイラーの卸売価格(キロ当たり)は、6月50.18バーツ(前年同月比18.6%高、127円:1バーツ=2.54円)、7月41.13バーツ(同17.9%高、104円)、8月40.68バーツ(同11.1%高、103円)と、2010年11月以降前年を上回って推移したものの、天候に恵まれたため生産増となったことから、5月をピークに下落に転じている。
主要国からの需要増により、2011年1〜8月の輸出量増2011年1〜8月における鶏肉調製品の輸出量は、前年同期比6.5%増の27万3千トンとなった。日本、英国、オランダの3カ国で全体の8割を占める中、最大の輸出先である日本向けは、東日本大震災後の影響により日本国内の供給が減少したため、同7.8%増の12万トンと増加した。次いで、英国向けは同3.8%増の8万8千トン、オランダ向けは同1.3%減の2万トンとなった。 ダイオキシンに汚染された飼料を給与した鶏を大量処分したドイツ(同16.0%増、1万トン)および高病原性鳥インフルエンザが発生した韓国(同35.9%増、8千トン)向けでは、国内供給が大幅に減少したため、2ケタの増加となった。 鶏肉調製品の輸出価格については、人件費など生産コストの上昇や海外からの旺盛な需要が影響し、2011年1月より上昇傾向で推移してきた。8月の価格は生体価格の値下がりにより、前月から輸出価格は下落したものの、前年同月比では8.5%高の1トン当たり140,510バーツ(357万円)と、依然として高水準にある。 輸出が好調であることから、インテグレーターは調製品の生産能力の向上を図る動きがある。大手ブロイラー総合企業のサハ・ファーム社は、拡大する国内外からの鶏肉需要に対応するため、150億バーツ(381億円)を投資する計画を明らかにしている。同社は、中国やブラジルに日本市場のシェアを奪われつつあるため、新たな市場の開拓にも取り組んでいる。 なお、燃油価格の上昇を踏まえ、貨物取扱業者は海上運賃の引き上げを発表した。値上げ幅は、20フィートコンテナ当たり30%あるいは、400米ドル(3万円:1ドル=77円)で、今後輸出価格への影響が懸念される。
|
元のページに戻る