1.2011年鶏肉生産量、消費量ともにやや増加の見通し
USDAによると、2011年の鶏肉生産量は、豚肉の代替需要が年内続くことが見込まれることから、前年比5.2%増の1,320万トンと増加し、消費量も同4.6%増の1,343万トンと増加する見込みである。輸入量は同19.6%減の23万トンと、2年連続で減少し、輸出量は同16.1%増の41万トンと、3年連続で増加することが見込まれる。
表11 中国の鶏肉需給状況 |
単位:百万羽、千トン |
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資料:USDA「Poultry and Products Annual」Sep.2011
注1:枝肉価格(もみじ含む)
注2:2011年は推定値 |
2.豚肉代替需要により、8月消費量は前年同月比23.1%増
8月の鶏肉生産量は、2011年初めまで鳥インフルエンザ発生の影響により飼養羽数が減少したものの、3月以降飼養羽数は増加していることから、前年同月比5.9%増の105万トンと回復が見込まれる。
8月の消費量は豚肉の代替需要にけん引され、同23.1%増の120万トンで大きく増加した。豚肉価格は依然高止まりにあることから、鶏肉の消費量は引き続き、高水準で推移するものと見込まれる。中秋節(9月10〜12日)、国慶節(10月1〜7日)の大型連休による旺盛な需要が控えていることから、9月以降、消費量は豚肉価格の高止まりとあいまって高水準で推移するものと見込まれる。
図15 鶏肉の月別需給の推移 |
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資料:中国農業科学院 |
3.上昇止まらない市場価格、1キログラム当たり18元超える
今年3月以降上昇を続けている都市市場価格は、高い水準で推移している。8月は前年同月比19.7%高の1キログラム当たり18.37元(約229円。9月末TTSレート1元=12.44円)と上昇基調が強まっている。2011年2〜5月は鶏肉生産量が消費量を上回っていたため、鶏肉価格の上昇は抑制された。6月以降、消費量が生産量を上回って伸びたため、価格が著しく上昇した。8月以降も、豚肉の代替需要が見込まれること、飼料価格高騰による生産コスト高が続いていることなどにより、市場価格はさらに上昇すると見込まれる。
図16 鶏肉都市市場価格の推移 |
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資料:国家発展開発委員会 注:と体ベース(中国の定義による。生体重の87%程度) |
4.鶏肉調製品輸出量、8月減少に転じる
2011年1〜8月の鶏肉調製品の累計輸出量は、前年同期比20.3%増の16.4万トンと大幅に増加した。主な輸出国は日本であり、2011年1〜8月の累計輸出量は13.9万トンで全体の85%のシェアを占めた。次いで、多い順に香港1.3万トン(同20.0%増)、オランダ0.3万トン(同2.8倍)であった。
鶏肉調製品の月別輸出量については、今年2月より増加を続けていたが、8月減少に転じ、前月比12.0%減の2.0万トンであった。
図17 鶏肉調製品の月別輸出量 |
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資料:GTI社“World Trade Atlas” |
表12 鶏肉調製品の国別輸出量 |
単位:トン、% |
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資料:GTI社 "World Trade Atlas"
注:HSコード160232 |
5.1〜8月における冷凍鶏肉輸入量、部位により激しい増減
2011年1〜8月の冷凍鶏肉の輸入については、手羽の冷凍鶏肉を除き、前年を大きく下回っている。骨付きの冷凍鶏肉の輸入量は1.4万トン(前年同期比 60.3%減)、足の冷凍鶏肉の輸入量は13.0万トン(同40.0%減)と落ち込んだ一方、手羽の冷凍鶏肉の輸入量は8.4万トン(同34.4%増)と大きく伸びている。
2011年の主要輸入国の動向は、米国の減退・ブラジルの躍進が特徴づけられる。米国は2010年のアンチダンピング税および相殺関税が響き、1〜8月の輸入量は大きく減少した。ブラジルは2009年6月に中国向け鶏肉処理施設が認定され輸出が軌道にのったため、1〜8月の輸入量は前年同期を上回った。
表13 冷凍鶏肉(骨付き肉)の国別輸入量 |
単位:トン、% |
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資料:GTI社 "World Trade Atlas"
注:HSコード02071411 |
表14 冷凍鶏肉(手羽)の国別輸入量 |
単位:トン、% |
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資料:GTI社 "World Trade Atlas"
注:HSコード:02071421 |
表15 冷凍鶏肉(足)の国別輸入量 |
単位:トン、% |
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資料:GTI社 "World Trade Atlas"
注:HSコード:02071422 |
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