需給動向 国内

◆鶏 卵◆

鶏卵の価格差補てん事業、4カ月連続で交付


◇絵でみる需給動向◇


 最近の卸売価格について全農「畜産販売部情報」(東京・M玉)によると、今年4月に東日本大震災の影響などにより高値で推移していた価格は、5月以降急激に値を下げた。7月は前年同月比4.0%安の1キログラム当たり170円と、それまでと一転して前年同月を下回るまで値下がりしたが、8月は同0.6%高の167円とわずかに上回った。しかし、9月は同5.2%安の183円と再び前年同月を下回る相場となった(図6)。

図6 鶏卵卸売価格(東京・M玉)の推移
資料:全農「畜産販売部情報」
注:消費税を除く。なお、23年10月は18日までの平均価格

 また、10月は185円(10月18日現在)と9月15日に180円から5円値を上げて以来、保合いとなっている。例年、秋から冬にかけては行楽や鍋料理など鶏卵の需要期を迎えるため価格は上昇する傾向にある。一方で最近の業者は、在庫を持たないよう大量に仕入れることは少なく、需要の季節変動は昔と比べ平準化されていると言われていることから、今後の季節的需要の影響は少ないとの見方もある。

 こうした中、国が実施する鶏卵の価格差補てん事業(社団法人日本養鶏協会が事業実施主体)においては、平成23年6月以降、毎月の鶏卵の標準取引価格が補填基準価格を下回ったことから、補填金が9月まで4カ月連続で交付されている。

 この事業は、各月の鶏卵の標準取引価格が補填基準価格を下回った場合、その差額の9割を補填するもので、9月は標準取引価格177.96円が補填基準価格の183円を5.04円下回ったことから、その9割に相当する4.536円が補填されることとなった。


元のページに戻る