需給動向 海外

◆豪 州◆

2011/12年度の乳製品生産量は、前年に引き続き増加


◇絵でみる需給動向◇


2011/12年度の生乳生産量は、前年度比2.2%増の930万キロリットル

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)によると、2011/12年度(7〜6月)の生乳生産量は、前年度比2.2%増の930万キロリットルと予測される。増産の要因は、乳牛飼養頭数が前年度比0.6%増の162万頭と前年を上回ることや、牧草生育期に降雨に恵まれたことから、冬場の牧草が十分に確保できたことおよび収穫を目前とした冬穀物の増産が見込まれることなどが挙げられる。

図13 生乳生産量の推移
資料:ABARES 注:2010/11年度は暫定値、2011/12年度は予測値

2011/12年度の飲用乳消費量は、前年度から1.6%増加

 2011/12年度の飲用乳消費量は、前年度比1.6%増の235万4000キロリットルと、微増が見込まれる。増加の背景には、2011年1月以降、大手スーパーマーケットでの低価格PB(プライベートブランド)飲用乳の展開による消費拡大がある。なお、ABARESによると、2011年1〜6月におけるスーパーマーケットの売上げに占めるPBの割合は、前年度期比5ポイント増の54%となった一方、NB(ナショナルブランド)は46%となった。

 2011/12年度の乳製品生産量は、生乳生産量の増加幅が飲用乳消費量の増加幅を上回ることから、バターが前年度比1.6%増の12万4000トン、チーズが同2.1%増の34万5000トン、全粉乳が同2.0%増の15万4000トン、脱脂粉乳が同2.3%減の21万7000トンと、総じて増加の見込みとなっている。

 一方、2011/12年度の乳製品輸出額は、大きく増加した前年度から一転して、前年度比3.9%減の22億5400万豪ドル(1735億5800万円:1豪ドル=77円)が見込まれる。これは、国際乳製品価格の上昇が一服するとの見方に基づいている。特に、バターについては、国際乳製品価格が植物性油との競合などにより、同10.3%安を見込んでいることから、他品目に比べ下げ幅が大きいものとみられる。

表7 乳製品生産量の推移
資料:ABARES

 


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