需給動向 国内 |
9月の豚枝肉卸売価格、下旬に400円/kg割れ |
9月の豚枝肉卸売価格(省令規格の東京・大阪市場加重平均価格)は、前半はキログラム当たり400円台後半で推移したものの、後半に大幅に下落し、同400円を割り込んだことから、月平均では同451円(前年同月比13.1%安)となった(図2)。
9月前半(1〜15日)の豚枝肉の平均価格はキログラム当たり476円となった。市場関係者によると、同期間の1日当たり全国と畜頭数は、前年同期比5.2%増の6万3千頭とやや増加したものの、学校給食の再開に伴い、うで・ももの引き合いが高まったため、堅調に推移したとしている。 しかしながら、9月後半(16〜30日)は大幅に下落し、28日以降キログラム当たり400円を下回ったため、同期間の平均価格は、同423円となった。大幅な価格下落について、供給面の要因としては、気温低下による増体重の改善や、飼料費など月末払いの資金確保のため、出荷頭数が増加したことが挙げられ、同期間の1日当たり全国と畜頭数は6万9千頭となった。 需要面の要因としては、ばら中心の焼き材需要から、ロイン系中心の鍋物需要へと切り替わる端境期であることが挙げられる。日本食肉流通センターの部分肉相場から、月末30日の部位別価格を月初の1日と比較すると、ロースが11.7%安のキログラム当たり951円、ばらが10.3%安の同767円、うでが9.3%安の同525円と、いずれも10%程度の下落となった(図3)。さらに、9月中間決算に伴い、在庫を抱えたくない思惑からの買い控えも一因となった。
一方、小売関係者によると、一部でロースの需要改善の動きも見られるとしている。豚肉と比べ単価の高い牛肉の消費が落ち込む中、比較的収益を確保できるロースを販売促進する小売店の動きが強まったためと見られる。 今後は、気温低下とともに出荷頭数は増加する見込みであり、行楽需要・鍋物需要の盛り上がりが注目される。 |
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