需給動向 海外 |
2010/11年度の輸出量は牛肉でやや増加、生体牛は大幅減 |
2010/11年度の牛肉輸出量は韓国、新興国向けが増加2010/11年度(7〜6月)の牛肉輸出量は、金融危機後の世界的な需要低迷で減少した前年度から4.3%増加し、93万7000トン(船積重量ベース)となった。国別では韓国向け(13万9000トン、前年度比12.3%増)のほか、ロシア向け(7万1000トン、同200.5%増)や中東向け(2万9000トン、同50%増)、中国向け(7000トン、同66%増)などの新興国で輸出が増加した。
一方、主要輸出先である日本向けおよび米国向けは豪ドル高の影響を受けた。日本向けは35万1000トン(同0.4%増)と前年度並みであったものの、米国産牛肉に対する競争力が低下した結果、日本市場におけるシェアは米国産が伸びた一方、豪州産は前年度から11ポイント減少し、61%となった。
米国向けについては、米国国内消費の低迷に加え豪ドル高が影響して大幅減の16万トン(同24.1%減)となり、1965/66年度以来の低水準となった。 2011/12年度については、7〜8月の輸出量が17万1000トン(前年同期比6.0%減)、うち日本向けは5万3000トン(同16.6%減)、米国向けは3万トン(同22.8%減)といずれも減少しており、豪ドル高の影響が続いている。 インドネシア生体牛輸出は、輸入条件の厳格化などから減少豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、2010/11年度の生体牛輸出頭数は、前年度比15.7%減の80万7千頭となり、5年ぶりに減少に転じた。
最大の仕向け先であるインドネシア向けは、2008/09年度から2009/10年度にかけては記録的な水準に達したが、2010/11年度は一転して大幅減の46万1千頭(前年度比35.8%減)となった。 この大幅減は、インドネシア側の輸入規制や豪州の気象要因によるところが大きい。インドネシア政府は2010年に5カ年の自給率向上プログラムを開始し、輸入許可証の発給を制限したことに加え、350キログラム以下の体重制限および輸入後60日以上飼育などの輸入条件の運用を厳格化した。このため、同年7月以降、輸出量が減少した。さらに、豪州で夏の間続いた多雨による出荷の停滞や、豪州政府が2011年6月7日以降、動物福祉問題から生体牛輸出を禁止したことも、輸出減につながった。なお、生体牛輸出は7月6日に解禁され、8月前半に出荷が再開されている。 一方、トルコ向けは前年度の1200頭から10万4千頭と急増した。現地報道によると、同国の生体牛輸入はこれまで酪農・繁殖用に限られていたが、牛肉需給がひっ迫し国内価格が高騰したことから、これを抑制するために、2010年10月以降、と畜・肥育用が輸入されている。 |
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