需給動向 国内 |
卸売価格は前年を上回って推移 |
平成23年7月の鶏肉推定在庫量(機構調べ)は、13万7千トンと前年同月を14.9%上回った。このうち国産品は2万7千トン(同7.9%減)と前年割れが続く一方で、輸入品は同22.5%増の10万9千トンとかなり大きく増加し、前月同様、10万トン超を記録した。輸入品在庫が2カ月連続で10万トン台となるのは21年9月以来であり、積み増しの状況が懸念される(図2)。
一方、鶏肉生産量((社)日本食鳥協会調べ)は、2月を底にゆるやかに増加し、震災で被害を受けた主産地での復興も進んでいるものの、7月は前年同月比4.8%減の11万1千トンと、22年12月以降、前年を下回って推移している。また、卸売価格(むね肉ともも肉の合計)については、夏場の不需要期を反映し、低下した7月および8月を除き、22年12月以降は900円を超えて推移している。 今後、国産の卸売価格が高値を維持したまま推移すると、年末の最需要期へ向けた加工用の鶏肉及び鶏肉調製品の輸入量にも影響を与えると思われる。 輸入量で最も大きなシェアを占めるブラジルの対日輸出価格は、23年度に入ってから高値で推移しており、輸入量も高水準である。財務省「貿易統計」の7月輸入量は4万2千トン(前年同月比14.1%増)、年度累計では16万9千トン(同17.4%増)となった。年末需要に対応するため、輸入品の在庫が取崩されるのか、高値のブラジル産鶏肉を嫌って調製品の輸入が増加するのかなど、今後の輸入量と国産価格に与える影響について動向が注目される。 |
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