需給動向 国内 |
鶏卵消費の約6割を占める家計消費は、総務省の「家計調査」によれば、東日本大震災の影響による鶏卵供給量の一時的な減少で、卸売価格が上昇した今年3月から5月までは、量販店等の特売回数の減少等もあって前年を下回って推移した。その後、6月には供給量は回復したが、不需要期に入ったこともあって、家計消費は引き続き前年同月を下回った。しかしながら、7月は特売回数が増えたこと等から、前年同月比102.0%(822グラム)と5カ月ぶりに増加に転じた(図4)。
こうした状況の中、最近の卸売価格を全農「畜産販売部情報」(東京・M玉)で見ると、東日本大震災の影響などにより高値で推移していた価格は、5月以降急激に値を下げた。特に、7月は前年同月比4.0%安の1キログラム当たり170円と、それまでと一転して前年同月を下回るまで値下がりした。8月は下旬から学校給食の手当などにより値を上げ同0.6%高の167円、9月に入ると180円(9月13日現在)と例年の値動きのパターンに戻った(図5)。
夏場に入ってからの鶏卵の需給動向について業界関係者は、「7月は猛暑の影響で、多く生産された小玉で荷余り感があった。最近は気温も和らぎ大玉も生産されるようになり、卵重サイズの供給バランスが取れてきた」としており、供給面でも例年と同様の状態に戻りつつある。 秋から冬にかけては鶏卵の需要期を迎えることから、例年どおりの値動きとなれば、卸売価格は今後上昇すると見込まれる。しかし、春のひなえ付け羽数の増加による供給増を懸念する声もあり、卸売価格の動向には注視が必要であろう。 |
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