需給動向 国内 |
23年8月のトウモロコシ国際価格、月末の終値としては過去最高を記録 |
配合飼料の成分構成の約5割を占めるトウモロコシの国際価格(シカゴ定期相場)の平成23年8月の価格(当月最終取引日の終値)は、前年同月比78.2%高の1ブッシェル当たり757.5米セントと、過去最高を記録した(図6)。
21年9月以降の国際金融危機の影響による穀物需要の減退から下落傾向にあったシカゴ定期相場は、ロシアの穀物禁輸措置、更に米国産トウモロコシの需給ひっ迫見通しや投機資金の流入等の影響により、22年後半以降再び上昇し、23年2月には700セントを突破した。3月の東日本大震災等の影響から、相場は一時下落したものの、4月以降は700セント台で推移し、6月10日には同787セントと過去最高を記録した。その後は、米国のコーンベルト地帯における高温、乾燥した天候の影響による作柄の悪化等から概ね700セント台前後で推移した。 こうした中、米国農務省(USDA)が8月11日に公表した世界農産物需給推計の月例報告によると、同国産トウモロコシの2011/12年度期末在庫率は先月の6.4%から5.4%に下方修正された。更に、同月28日現在のUSDAのトウモロコシ作柄調査によると、「非常に良い」および「良い」とするポイントの合計は、前週に比べ3ポイント減の54%となった。これを受け、30日の定期相場は、同763.5セントとなった。 また、現地農業コンサルタント会社によると、同年度の単収は8月の月例報告に比べ3.4%減の1エーカー当たり147.9ブッシェル(1ヘクタール当たり約9300キログラム)となった。このようなことから、現地では9月のUSDA月例報告では、同年度の在庫率は5.4%から更に低下する可能性が高いとされている。 このようなトウモロコシ定期相場の高騰は、今後のわが国の配合飼料価格にも影響を及ぼすと見られる。ただし、為替は依然として記録的な円高傾向で推移しており、海上運賃がほぼ横ばいで推移している中で、為替がトウモロコシ価格上昇分をどれだけ相殺できるかが注目される(図7)。
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