米国農務省世界農業観測ボード（USDA／WAOB）は9月12日、9月1日現在の全米作況調査に基づく単収予測を踏まえ、2011/12穀物年度（2011年9月〜2012年8月。以下、「年度」）における米国および世界の主要農作物の月次需給見通しを公表した。

　これによると、世界のトウモロコシ生産量の約4割を占める米国が生産量を1059万トン下方修正し、世界全体の生産量は585万トン下方修正された。一方、世界の大豆の生産量の3割強を占める米国が生産量を80万トン上方修正し、世界全体の生産量は152万トン上方修正された。

表14　世界の主要飼料穀物の需給見通し（2011年9月12日米国農務省公表）

資料：USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」 　 注：年度は、世界各国の穀物年度の単純合計

米国のトウモロコシは生産量を下方修正し、期末在庫を大きく下方修正

　米国のトウモロコシは、先月の作付面積予測と収穫面積を据え置き、単収は、コーンベルト一帯における暑熱と乾燥の影響により、3.2％下方修正された。これにより米国の生産量は1059万トン下方修正されて3億1744万トンになると予測された。一方、ブラジル、アルゼンチン、ウクライナ、EU-27が生産量を合計795万トン上方修正したものの、世界の生産量は585万トン下方修正された。

　消費については、米国の飼料等向けは、供給量の縮小と価格の上昇見通しなどから508万トン下方修正され、エタノール向けはガソリン消費の減少見込みから254万トン下方修正された。これにより米国の総消費量は762万トン下方修正され世界全体の消費量も734万トン下方修正された。

　これらの結果、世界のトウモロコシの期末在庫は286万トン上方修正されて前年度を5.6％下回る1億1739万トンと予測されている。

表15　世界の主要飼料穀物の国別需給見通し（2011年9月12日米国農務省公表）

資料：USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」 　 注：年度は、世界各国の穀物年度

大豆は期末在庫を減らし価格は上方修正

　米国の大豆は、作付面積と収穫面積は据え置かれたが、単収はわずかに上方修正されて生産量は8397万トンと予測された。世界の大豆の生産量は152万トン上方修正されて2億5899万トンと予測されている。

　一方、米国の消費量はわずかに下方修正されるなど世界全体でも消費量は8万トン下方修正の2億6224万トンと予測され、これにより期末在庫は160万トン上方修正されて前年度を8.6％下回る6255万トンと予測されている。