需給動向 海外 |
2010/11年度の乳牛輸出頭数、中国の需要増から2年連続の7万頭超 |
乳牛の輸出増が、経産牛飼養頭数増の抑制要因の1つ2010/11年度(7〜6月)の乳牛輸出頭数は、前年度を5.0%下回るものの、過去5年平均を3割程度上回る7万3817頭と、前年度に続き7万頭台に達した。この輸出増をけん引しているのは中国である。同国向けは前年度比9.3%増の4万8688頭と、総輸出頭数の約6割を占めた。増加の要因としては、堅調な牛乳・乳製品の需要を反映し外資の参入が進むなど、同国の生乳生産規模が拡大していることが挙げられる。 また、1頭当たりの平均生体輸出価格についても上昇傾向にあり、2010/11年度は、同18.9%高の2,060豪ドル(17万3040円:1豪ドル=84円)と大幅に上昇した。
こうした乳牛の輸出増が、経産牛の増頭が進まない要因の一つと考えられている。経産牛飼養頭数は、2004/05年度の200万頭をピークにその後の干ばつや小規模農家の廃業から減少傾向で推移してきたが、今後も急激に回復することは見込み難いとみられている。 2011年(6月末)の経産牛飼養頭数は、良好な飼養環境にも関わらず、160万2000頭とほぼ横ばいでの推移が見込まれている。 7月の生乳生産量は前年同月比1.1%減デイリー・オーストラリア(DA)によると、7月の生乳生産量は、前年同月比1.1%減の64万700キロリットルと、前年度並みとなった。州別では、ビクトリア(VIC)州が同1.1%減の41万2300リットル、クイーンズランド州が同11.6%減の3万9700キロリットル、西オーストラリア州が同7.1%減の2万8100キロリットル、南オーストラリア(SA)州が同3.9%減の4万2800キロリットルといずれも前年を下回った。一方、ニューサウスウェールズ州は同5.4%増の9万キロリットル、タスマニア州は12.3%増の2万7600キロリットルと増加した。 なお、2011/12年度(7〜6月)の生乳生産量は、前年度比1.6%増の925万キロリットルと微増を見込んでいる また、乳製品の生産量は、バターが前年同月比8.3%増の6,167トン、脱脂粉乳が同2.4%増の14,132トン、全粉粉乳が同3.6%減の13,794トン、チーズが同18.6%減の15,243トンとなった。
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