農林水産省が8月4日に公表した「畜産統計」(平成23年2月1日現在)によると、豚の飼養戸数は前回(21年2月1日現在)と比較して12.8%減の6,010戸となった。これを肥育豚の飼養規模別に見ると、1〜299頭の小規模層は同17.1%減と大幅に減少しているものの、2,000頭以上の大規模層においては同2.7%の減少にとどまっており、小規模層の減少が顕著となっている(表1)。
表1 豚の飼養動向 |
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資料:農林水産省「畜産統計」
注:2月1日現在 |
一方、豚の飼養頭数は同1.3%減の976万8千頭と、わずかな減少にとどまった。この結果、1戸当たり飼養頭数は188頭増加(同13.1%増)の1,625頭となった。飼養頭数の内訳を見ると、肥育豚は8,186千頭(同0.4%減)とわずかな減少となったものの、子取り用めす豚901.8千頭(同3.7%減)、種おす豚51.8千頭(同9.3%減)、その他(肥育用のもと豚として販売するもの等、以下同じ)628.7千頭(同8.3%減)となった。繁殖豚やその他が減少しており、これにより出荷頭数は当面、減少傾向で推移すると見込まれる。
次に、地域別に見ると、飼養頭数の多い東北、関東・東山、九州は、飼養戸数は同10%程度減少しているものの、1戸当たり飼養頭数は同15%以上の大幅な増加となった(表2)。1戸当たり子取り用めす豚の飼養頭数も同10%程度増加しており、生産地において大規模化が進んだことが分かる。
表2 地域別の豚飼養動向 |
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資料:農林水産省「畜産統計」
注:2月1日現在 |
さらに、主産地の動向を見ると、飼養頭数の上位は第1位鹿児島県、第2位宮崎県、第3位は前回の茨城県に代わって、1戸当たり飼養頭数が同30%近く増加した千葉県となった(表3)。このうち、第2位の宮崎県においては口蹄疫の発生で飼養戸数および頭数の減少が顕著となっており、飼養戸数は同25.2%減の466戸、飼養頭数は同16.2%減の766.2千頭と、大幅に減少した。
表3 飼養頭数上位10道県 |
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資料:農林水産省「畜産統計」
注:2月1日現在 |
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