需給動向 国内

◆鶏 肉◆

輸入増の中、国内供給は回復基調


◇絵でみる需給動向◇


 財務省「貿易統計」によると、平成23年6月の鶏肉輸入量は、45千トン(前年同月比28.7%増)と40千トン台を超え、17カ月連続で前年同月を上回った。

 また、鶏肉調製品についても、6月は38千トン(同16.5%増)と、17カ月連続で前年同月を上回った。中でも中国(19千トン、同25.3%増)の増加が顕著となっている。

 一方、6月の鶏肉生産量(食鳥協会調べ)は、111千トン(同6.0%減)と、前年度を下回ったものの、2月を底に徐々に前年比は上昇基調で推移している(図5)。7月23日に公表された(社)日本種鶏ふ卵協会による「ブロイラー種鶏調査結果」によると、全国のブロイラーふ卵場57社を対象とした平成23年の種鶏導入計画は、前年実績488万羽と比べ21万羽増加し、509万羽(前年比4.3%増)となった。同調査結果ではコマーシャル素びなは、1〜5月累計で前年比5.2%減と、HPAIや震災の影響を大きく受けた北日本や九州を中心に前年を下回って推移したものの、当地域では種鶏導入羽数などから、ブロイラー生産意欲の高まりを見せていることが確認された。これらのことから、今後は供給能力の回復に伴い生産量も増加すると思われる。

 消費の冷え込みから、より安価な輸入鶏肉・鶏肉調製品への需要が高まるとの期待感から、輸入量は増加したとみられるが、国内生産量は、震災で被害を受けた主産地での復興が進んでおり、今後の動向に注目したい。

図5 鶏肉・鶏肉調製品輸入量、生産量及び在庫量の推移
資料:財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ、農林水産省「食鳥市況情報」

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