需給動向 海外

◆飼 料◆

米国農務省、2011/12年度の世界のトウモロコシ期末在庫を下方修正


◇絵でみる需給動向◇


 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は8月11日、今年初めてとなる全米作況調査に基づく単収予測を踏まえ、2011/12穀物年度(2011年9月〜2012年8月。以下、「年度」)における米国および世界の主要農作物の需給見通しを公表した。

 これによると、世界のトウモロコシ生産量の約4割を占める米国が生産量を1412万トン下方修正し、世界全体の生産量は1187万トン下方修正された。一方、世界の大豆の生産量の3割強を占める米国が生産量を460万トン下方修正し、世界全体の生産量は398万トン下方修正された。

米国のトウモロコシは生産量を下方修正し、期末在庫を大きく下方修正

 米国のトウモロコシは、先月の作付面積予測は据え置かれ、収穫面積がわずかに下方修正された。そして注目された単収は、コーンベルトの多くの地域で7月は高温と少雨となったことから、3.6%下方修正された。これにより米国の生産量は1412万トン下方修正されて3億2803万トンになると予測された。主要国では、ブラジル、ウクライナ、EU-27が上方修正したものの合わせて308万トンであった。

 一方、米国の飼料等向けは、供給量の縮小と価格の上昇見通しなどから381万トン下方修正され、エタノール向けは暗い景気見通しとガソリン価格の高騰からガソリン消費が減少すると見込まれ127万トンが下方修正された。また、飼料等向けはEU-27、カナダ、韓国で小麦への代替需要が進む見込みから減少し世界全体では721万トン下方修正された。

 これらの結果、世界のトウモロコシの期末在庫は113万トン下方修正されて前年度を6.8%下回る1億1453万トンと予測されている。

大豆は期末在庫を減らし価格は上方修正

 米国の大豆は、作付面積、収穫面積、単収がそれぞれ下方修正された。その結果、生産量は460万トン下方修正されて前年度を8.2%下回る8317万トンと予測された。また、中国は収穫面積の減少から生産量が30万トン下方修正されて1400万トンと見込まれている。一方、ブラジルは、単収の増加見込みから100万トン上方修正の7350万トンと見込まれている。

 その結果、世界の大豆の生産量は398万トン下方修正されて2億5747万トンと予測されている。一方、消費量は搾油向けが24万トン下方修正されるなど消費量全体では33万トン下方修正の2億6232万トンと予測され、これにより期末在庫は102万トン下方修正されて前年度を10.9%下回る6095万トンと予測されている。

表5 世界の主要飼料穀物の需給見通し(2011年8月11日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
  注:年度は、世界各国の穀物年度の単純合計
表6 世界の主要飼料穀物の国別需給見通し(2011年8月11日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
  注:年度は、世界各国の穀物年度の単純合計

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