財務省「貿易統計」によると、24年1月の鶏肉輸入量は、全体のシェアの9割を占めるブラジルからの輸入が減少したことで、3万5千トン(前年同月比6.3%減)と前年よりかなりの程度減少した。一方、1月の鶏肉調製品の輸入量は3万7千トン(同16.1%増)と大幅に増加し、このうち、中国からの輸入量は2万1千トン同(同21.1%増)となった。
24年1月の国内の鶏肉生産量(機構推計)は、11万6千トン(同10.4%増)と4カ月連続で前年を上回り、鳥インフルエンザや震災による影響からの回復傾向が伺える。 こうした中、推定期末在庫量(機構調べ)は、15万4千トン(同38.1%増)と前年を大幅に上回った。うち国産品は3万7千トン(同45.4%増)、輸入品11万7千トン(同36.0%増)とそれぞれ大幅に在庫が積み増されている。
在庫が急激に積み増す中、1月の卸売価格(東京)は前年より大きく下落している。もも肉は627円(前年同期比11.4%安)とかなり大きく、むね肉は208円(25.4%安)と大幅に下落した。在庫が15万トン台となるのは、21年8月以来であり、積み増しの状況が懸念されることから、今後の生産及び輸入動向、3月期決算における在庫削減の動きなどに注視したい。
図4 鶏肉・鶏肉調製品輸入量,生産量及び在庫量の推移 |
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資料:財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ、農林水産省「食鳥流通統計」 |
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