需給動向 国内 |
23年の配合・混合飼料生産に占めるトウモロコシの原料使用割合は、46.0%に低下 |
農林水産省が平成24年2月20日に公表した「流通飼料価格等実態調査(速報版)」によると、23年12月の配合・混合飼料生産に占めるトウモロコシの原料使用割合は、45.2%となった。トウモロコシの原料使用割合は10月以降回復したものの、同年1月の48.0%から減少し、9月には過去7年間で最低の44.5%となった。23年累計(各月の割合の平均)では、前年比1.3ポイント減の46.0%と過去7年間で最低となった。 この原因は、米国のトウモロコシ在庫率低下や投機資金の流入などを背景に、トウモロコシの国際価格が高値で推移したことから、代替原料を使用する傾向が強まったためである。 同年のトウモロコシ国際価格(シカゴ相場の先物、期近価格)は、前年比58.2%高の1ブッシェル当たり674セントと過去7年間で最高となった。このため、(1)農林水産省の所得補償政策の実施や消費者団体も含めた耕畜連携の推進などにより、作付面積が拡大した米の使用割合が前年比0.8ポイント増の1.7%(2)豪州やカナダからの輸入が大幅に増加した小麦が同0.4ポイント増の1.3%(3)近年、飼料用原料として注目が高まっているトウモロコシ蒸留かす(DDGS)が同0.5ポイント増の1.4%−などとなった。
トウモロコシの国際価格は、1ブッシェル当たり659セントと依然として高い(3月2日現在)。2月の米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)の月次報告によると、2011/12年度(9月〜翌8月)の在庫率は、前月の6.7%から6.3%と下方修正された。 こうした中で、アルゼンチンの主要穀物取引市場であるロサリオ商品市場は、ブエノスアイレス州などパンパ地域での降雨不足の影響が予想以上に大きいことから、2011/12年度(年度は3月〜翌2月)のトウモロコシ生産見込み(年度は3月〜翌2月)を、前回の2140万トンから2000万トンに引き下げた。一方、ブラジル食糧供給公社(CONAB)は、リオグランドデスル州など南部地域で降雨不足の影響が懸念されるものの、マッドグロッソ州など中西部の2期作で増産が見込まれることから、2011/12年度(10月〜翌9月)の生産見込みを5920万トンから過去最高の6080万トンに引き上げた。 以上からすると、ブラジルの今後の生産動向にもよるが、当面の間、トウモロコシの国際需給は、引き締まり傾向の可能性が高い。よって、国際価格も堅調に推移することから、わが国の配合・混合飼料に占めるトウモロコシの原料使用割合は、やや上昇するものとみられるものの、急速に回復する可能性は低いとみられる。 |
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