需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

一世帯当たりの月間牛乳購入数量、2カ月連続で前年同月を上回る


◇絵でみる需給動向◇


 総務省統計局が発表した平成24年5月分の家計調査報告によると、一世帯当たりの月間牛乳購入数量は、2カ月連続増加して前年同月を上回る6.81リットル(前年同月比1.8%増)となったものの、1リットル当たりの平均購入価格は、前年同月を2カ月連続で下回り189.93円(同2.9%安)となった。

23年度下期以降、購入数量は回復傾向

 平成23年度上期の牛乳の購入数量は、前年同月を下回って推移した。これは東日本大震災の影響によって、サプライチェーンが被害を受け地域的に品薄となったことや、農産物からの放射性物質の検出が報道され消費者が産地選別を行うようになったことなどが要因と考えられる。下期に入り11月以降になると、生乳生産の回復やサプライチェーンの復旧とともに、食品検査体制への信頼感の高まりから、家庭での購入数量が回復傾向を見せ始めた。ただし、過去5年間の平均値と比べると平成24年4月が5.4%減、5月が5.2%減となり、前年同月を上回っているとはいえ、平年と比べると依然低い水準となっている(図6)。
図6 一世帯当たりの牛乳購入数量と伸び率の推移
資料:総務省統計局「家計調査」より農畜産業振興機構推計

牛乳購入数量は長期的には漸減傾向で推移

 過去3年間における一世帯当たりの月間牛乳購入数量は、夏季にはおおむね7〜8リットル、冬季にはおおむね6〜7リットルの間で推移している。また、1リットル当たりの平均購入価格は、おおむね185円から200円の間で推移し、量販店での特売の取り組み状況などにより変動するものと考えられる(図7)。なお、一世帯当たりの月間牛乳購入数量は、長期的には漸減傾向で推移し、平成23年度は81.1リットルと、3年前の84.9リットルと比較し4.5%減少している。

*本調査における牛乳の定義には、加工乳や成分調整牛乳も含まれている。なお、本稿にて使用する家計調査のサンプル数は全国で8,076世帯、世帯人員2人以上を対象としたものである。また、地域や収入等による絞込みは行っていない。

図7 一世帯当たりの牛乳購入数量と平均価格の推移
資料:総務省統計局「家計調査」より農畜産業振興機構推計

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