需給動向 海外

◆飼 料◆

米国農務省、トウモロコシ、大豆ともに生産予測量をわずかに上方修正


◇絵でみる需給動向◇


 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は11月9日、11月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。米国における2012/13穀物年度(9〜翌8月)のトウモロコシおよび大豆の生産量は、11月1日現在の全国作況調査を反映して、前月の予測値からわずかに上方修正された。

◇米 国◇

トウモロコシの期末在庫、わずかに上方修正

 トウモロコシの生産量は、前月の予測(107億600万ブッシェル)から1900万ブッシェル引き上げられ、107億2500万ブッシェル(前年度比13.2%減)とされた。この引き上げは、全国作況調査の結果、主要生産地であるイリノイ州で単収が上方修正された他、ミシガン州、オハイオ州においても単収の増加が見込まれたことによる。全国平均の単収は先月の予測値から0.3ブッシェル増の122.3ブッシェルとされた。しかしながら、これは1995年以来の最低の単収となっている。

 一方、消費量は飼料等向けおよびエタノール向けは先月の予測値が据え置かれたものの、甘味料およびコーンスターチ需要の増加により食用向け等が上方修正されたことから1700万ブッシェル増の111億6700万ブッシェルと予測された。

 輸出量は先月の予測値に据え置かれた。

 期末在庫は、輸入量の増加が見込まれることから前月より2800万ブッシェル上方修正され、期末在庫率は5.6%から5.8%に上昇した。

 生産者平均販売価格は、前月予測値から引き下げられ1ブッシェル当たり6.95〜8.25ドルと予測された。

表5 米国におけるトウモロコシの需給見通し(2012年11月9日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
  注:年度は、各年9〜翌8月

◇世 界◇

トウモロコシ、減産により世界の輸出量は前年を下回る

 2012/13年度における世界のトウモロコシ生産量は、アルゼンチンで増産が見込まれるものの、主要生産国である米国で干ばつの影響により大きく減産が予測されることから、前年度比4.6%減の8億3970万トンと減産見通しとなった。

 輸入量は、国内需給がタイトである米国で増加が見込まれるものの、増産が見込まれる中国で減少が予測されることから、同4.7%減の9375万トンと予測された。

 一方、輸出量は、アルゼンチンで増加が見込まれるものの、主要輸出国である米国やウクライナなどで減少が見込まれることから、同18.5%減の9030万トンとかなり落ち込むものとみられる。

 消費量は、食肉生産量(主に豚やブロイラー)の増加が見込まれる中国や南米などで増加が予測されるものの、トウモロコシ価格高騰により米国や欧州で飼料向けの減少が見込まれることから、同2.5%減の8億5379万トンと予測された。

 なお、期末在庫は、消費量が生産量を上回ることから同10.7%減の1億1799万トンと予測された。

表6 主要国におけるトウモロコシの需給見通し(2012年11月9日米国農務省公表)

資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
  注:年度は、世界各国の穀物年度

大豆の期末在庫、米国を除く主要国の増産により前年を上回るる

 2012/13年度における世界の大豆生産量は、干ばつの影響による米国の減産やトウモロコシへの転作が進む中国で生産量の減少が見込まれるものの、南米で前年を大幅に上回る生産量の増加が見込まれることから、前年度比11.9%増の2億6760万トンと増産見通しとなった。

 輸入量は、主に中国で搾油向け需要の増加が見込まれることから、同3.8%増の9601万トンと予測された。

 一方、輸出量は、主にアルゼンチンで増産が見込まれ、輸出余力が増加することから、同9.1%増の9855万トンと増加見通しとなった。

 消費量は、減産が見込まれる米国で大きな減少が見込まれるものの、南米および中国で増加が見込まれることから、世界全体では同2.0%増の2億6103万トンと予測された。

 なお、期末在庫は、生産量が消費量を上回ることから同7.2%増の6002万トンと予測された。
表7 主要国における大豆の需給見通し(2012年11月9日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
 注:年度は、世界各国の穀物年度

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