需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

平成24年度上半期の生乳生産量、前年同期比2.4%増と回復基調


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「牛乳乳製品統計」によると、9月の生乳生産量は、前年同月比1.6%増の60万3727トンと、11カ月連続で前年同月を上回った。この結果、平成24年度上半期(4〜9月)の生乳生産量は、前年同期比2.4%増の384万539トンと9年ぶりに増加した。ただし、この増加は、平成23年3月に発生した東日本大震災の影響により生産が減少していたことの反動と考えられ、2年前の同時期と比較すると、なお1.8ポイント低い水準となっている。
図7 全国の生乳生産量の推移と予測値

資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」
  注:点線は、平成24年10月31日に公表されたJ-milkの予測値

北海道は1.5%増、都府県は震災からの回復で3.3%増

 平成24年度上半期の生乳生産量を地域別に見ると、北海道が同1.5%増の198万5711トン、都府県が同3.3%増の185万4828トンとなった。都府県の伸びは、前年同期における東日本大震災の影響による減少の反動によるものとみられ、特に東北が同9.0%増と回復に向かっている。

 また、過去10年間の北海道と都府県の生乳生産量のシェアの推移を見ると、厳しい経営環境の中で、北海道は増減を繰り返しながらも拡大に向かっているのに対し、都府県はほぼ一貫して生産が減少している。この結果、両者の生産量のシェアは、平成14年度には45:55で都府県が過半を占めていたが、22年度に逆転し、24年度上半期でも52:48と北海道が過半を占めている。

図8 地域別生乳生産量の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」
  注:平成24年度は、上半期(4〜9月)の生産量およびシェア

乳製品向けの処理量が増加

 平成24年度上半期の用途別生乳処理量は、牛乳等向けが前年同期比1.4%減の207万2164トンと減少した一方、乳製品向けは同7.5%増の173万9069トンと増加した。乳製品向けが増加した理由としては、生クリーム等向けの需要が堅調に推移し、同4.5%増の64万3446トンと高い伸びを示したことが挙げられる。また、加工原料乳向けは同9.8%増の83万3405トン、チーズ向けが同2.4%増の24万5052トンと生乳生産の回復を受け、いずれも増加した。

 なお、過去10年間の用途別生乳処理量の推移を見ると、飲用牛乳の需要低下の影響を受け、牛乳等向け処理量のシェアが低下する一方、乳製品向けが一貫して高まる傾向となっている。この結果、平成14年度の牛乳等向けと乳製品向け処理量の割合は61:39であったのが、平成24年度上半期には54:46となっている。

図9 生乳処理量の用途別シェアの推移
資料:社団法人中央酪農会議「用途別販売実績」
  注:平成24年度は、上半期(4〜9月)のシェア

J-milkの第3四半期の生産予測は、前年同期比0.5%増

 社団法人日本酪農乳業協会(J-milk)が10月31日に公表した「平成24年度第3四半期までの生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと今後の課題について」によると、第3四半期(10〜12月)の生乳生産量は、伸び率が鈍化するものの、前年同期比0.5%増の186万4000トンと上半期に引き続き前年同期を上回って推移すると予測している。


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