需給動向 国内 |
鶏肉調製品輸入は増加傾向、ブラジルからの輸入に注目
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23年11月の鶏肉生産量(機構推計)は、12万4千トン(前年同月比1.6%増)と前年を上回り、生産量は順調に回復している。 このような中、11月の鶏肉輸入量(財務省「貿易統計」)は、およそ4万トン(同3.4%増)と前年よりやや増加した。東日本大震災による主産地での生産減を見込んでの輸入増がいまだ続いている。国別に見ると、ブラジル産は、レアル高等により、3カ月連続で前年を下回って推移し、3万4千トン(同1.3%減)となった。一方、米国産は、クリスマス用として骨付き鶏肉を中心にドル安を背景として、5千2百トン(同31.0%増)と、2カ月連続で前年を上回っている。 鶏肉調製品の輸入については、調理済みで便利なことから外食等での需要が依然として高い傾向にある。中国産(1万9千トン、同15.6%増)とタイ産(1万7千トン、同5.9%減)が大半を占める中、ブラジル産鶏肉調製品の年度累計(4−11月)の輸入量は前年同期比98.8%増の1千50トンと増加が著しい。 国内における鶏肉消費を見ると、国産品と輸入品を合わせた11月の推定出回り量(機構調べ、鶏肉調製品は含まず)は、15万4千トン(同6.2%減)となった。特に外食等で需要の高い輸入品は、鶏肉調製品にシフトし、出回り量は3万3千トン(同21.6%減)と大幅に前年を下回る結果となった。 農林水産省「食肉消費構成の割合(推定)」によると、直近(22年)の鶏肉消費割合は、「家計消費(主に国産品)」で38%、業務用や外食等の「その他」が55%及び「加工仕向」が7%(いずれも主に輸入品)としている。輸入品在庫の積み増しにより、年末の国産品卸売価格(速報)はあまり値上がりを見せなかった。外食等による輸入品の消費動向が、鶏肉需給に影響をおよぼしていると見込まれる(図4)。
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