1.7月以降、出荷頭数増加するも生産量は微増
2011年の豚飼養頭数は、5月を除く全ての月で前年を上回る水準で推移し、10月には前年同月比0.6%増の4億1059万頭となった。
6月の端午節から9月の中秋節までは、豚肉の需要減退期であるにもかかわらず、7月以降の出荷頭数は、前年を上回り続け、10月には月当たり4210万頭と2011年で最も多かった。価格上昇を見込んで出荷を控えていた生産者は、6月以降の豚肉価格高騰で、出荷頭数を増やしたため、と畜数が増加したものとみられる。
導入頭数については、8月以降減少し、10月には月当たり4494万頭と2011年で最も少なかった。これは、子豚価格の高騰にある。9月の子豚価格は1月に比べ約2倍に値上がりしているために、導入が控えられるものと考えられる。
図14 豚の月別飼養頭数の推移 |
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資料:中国農業科学院 |
図15 豚の月別導入および出荷頭数の推移 |
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資料:中国農業科学院 |
2011年6月以降、出荷頭数が前年よりも上回っているにも関わらず、生産量は前年を下回っている。豚肉が高値のうちに出荷させるため、出荷豚は肥育期間を短く出荷体重が小さくなっているものと考えられる。
消費量については、夏期は豚肉の不需要期であるため、例年通り消費は減退した。7月から10月においては、豚肉価格の高騰による消費者の購買意欲が一層衰退したため、前年を下回る水準で推移した。
図16 豚肉の月別生産量と消費量 |
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資料:中国農業科学院
注:枝肉ベース |
2.豚肉価格上昇10月に止まる
2011年1〜10月の豚肉(赤身肉)小売価格は前年を上回る水準で推移し、9月にキログラム当たり34.65元(約450円。12月末TTSレート1元=13円で計算。)の最高値となったが、10月に前月比2.0%減とやや値を下げている。ただ、キログラム当たり33.96元(約441円)と前年同月比36.9%高で依然高水準である。
図17 豚肉小売価格の推移 |
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資料:国家発展開発委員会
注:代表的な都市の小売市場における豚肉(赤身肉)の価格 |
3.冷凍豚肉の輸入量が大幅に増加
2011年1〜10月の冷凍豚肉輸入量は、前年同期比20.6%増の37.8万トンと大幅に増加した。政府は、豚肉需給ひっ迫の改善と国内豚肉価格の上昇を抑制するため、国家備蓄在庫を相当量放出した。この影響により、国内産豚肉よりも安価な外国産冷凍豚肉が輸入された。11月の中国における冷凍豚肉の輸入取引価格は、キログラム当たり13.38元(約174円。)であった。輸入国の中で、米国およびスペインの輸入取引価格は安価であることから、輸入量は前年に比べ飛躍的に増加した。
図18 冷凍豚肉の月別輸入量 |
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資料:GTI社「World Trade Atlas」
注:HSコード0203 |
表10 冷凍豚肉の国別輸入量 |
(単位:トン、%) |
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資料:GTI社“World Trade Atlas”
注:HSコード0203 |
2011年1〜11月におけるソーセージの輸出量は、前年同期比2.0%減の2.9万トンとわずかに減少した。主な輸出国である日本および香港では前年同期と比べ減少したが、韓国では前年同期比20.1%増と増加した。
図19 ソーセージの月別輸出量 |
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資料:GTI社 「World Trade Atlas」
注:HSコード1601 |
表11 ソーセージの国別輸出量 |
(単位:トン、%) |
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資料:GTI社“World Trade Atlas”
注:HSコード1601 |
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