需給動向 国内

◆鶏 卵◆

24年1月初値の下げ幅は例年並み(東京、M玉)


◇絵でみる需給動向◇


 例年、1月の鶏卵卸売価格の初値は、年末年始により産地に滞留していた在庫が一斉に流通するため、12月の終値より大幅に値を下げている。

 全農「畜産販売部情報」によると、昨年の鶏卵卸売価格(東京・M玉)は11月8日から12月の終値まではキログラム当たり195円と横ばいで推移し、今年1月の初値は120円と例年どおり大幅に値を下げた(図7)。

図7 鶏卵卸売価格の推移(東京、М玉)
資料:全農「畜産販売部情報」

 また、過去3年の初値の下落率を見ると、今年は38.5%の値下がり(終値195円、初値120円)となった。相場の高かった23年は29.2%と約3割の値下がり(終値240円、初値170円)であったが、21年と22年は、いずれも40.5%と約4割の値下がり(終値210円、初値125円)であったことから、例年並みの下げ幅であったと言える。

 1月18日現在では145円まで値を上げ、今後、例年どおり3月にかけて徐々に値を戻すと思われるが、東日本大震災以降、原材料の安定供給のため加工メーカーよる加工卵(粉卵及び凍結液卵)と殻付き卵の輸入量が増加(4月から11月までの累計で見ると、加工卵は2万2千トン(前年同期比29.2%増)、殻付き卵は3千7百トン(同6,114.2%増))している。このため、国産鶏卵の加工仕向けへの機会が減少し、3月までの卸売価格の上げ幅は小さいと予想される。


元のページに戻る