需給動向 国内 |
24年1月〜3月期の配合飼料供給価格、約2,600円値下げ |
全国農業協同組合連合会(全農)は12月16日、平成24年1〜3月期の配合飼料供給価格の値下げを発表した。全国全畜種総平均トン当たり、前期(7〜9月)から約2,600円の下げとなる。 商系各社、専門農協も、既に配合飼料供給価格を同約2,100円〜2,400円値下げすることを発表している。 なお、今回の配合飼料供給価格の値下げにより、配合飼料価格が直近1年間の平均価格を上回った場合に、配合飼料価格安定基金が事業主体となって発動される「通常価格差補てん金交付事業」は、実施されない。 全農が発表した飼料情勢は以下のとおり (1)トウモロコシのシカゴ定期相場の価格は、8月末にかけてブッシェル当たり7ドル台後半の水準まで上昇したが、9月に発表された米国産トウモロコシの旧殻の在庫数量が事前予想を上回ったこと及び新殻の生産量見通しが史上3番目の高水準であったこと−などから大きく下落した。その後、中国による買い付け等を材料に一時上昇したが、欧州諸国の財政危機を契機に穀物市場から投機資金が流出したため再び下落し、現在は6ドル前後で推移している。今後は、エタノール向け需要が好調であることから、シカゴ定期相場は底堅く推移するものと見込まれる(図8)。
(2)大豆ミールのシカゴ定期相場の価格は、9月上旬にはトン当たり400ドルを超える水準で推移していたが、大豆の生産量の増加見通しや輸出需要の減少等から、現在は320ドル前後で推移している。国内産大豆ミール価格は、シカゴ定期の下落により値下がりが見込まれる。 (3)米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、9月末にかけてトン当たり55ドル前後で安定して推移していたが、10月に入り中国向けの鉄鉱石・石炭の輸送需要の増加や燃料価格の値上がりにより60ドルを超える水準まで上昇した。今後は、新造船の竣工により船腹需給が緩和する一方、燃料価格が上昇していることから、海上運賃は現状の水準での推移することが見込まれる(図9)。
(4)外国為替は、9月中旬以降は77円前後で推移していたが、一段と円高が進んだため10月31日に当局が為替介入を実施し一時79円台となった。その後は、欧米諸国の財政不安を背景に再び円が買われ、現在は77円前後で推移している。今後は、米国および欧州諸国の経済の先行きに不透明感が強いことから円が買われやすい展開が続くが、過度な円高局面では当局による為替介入が警戒されることからの景気回復の遅れにより円高傾向が予想されるが、適度な円高局面では当局による為替介入が警戒されることから、一進一退の相場展開が見込まれる。 このような中で、米国農務省(USDA)が12月9日に公表した穀物在庫統計によると、2011年12月1日時点のトウモロコシの在庫数量は、甘味料用の需要減少から前月に比べ500万ブッシェル増の8億4800万ブッシェルとなったものの、在庫率は前月同様の6.7%となった。その後、ブラジルやアルゼンチンの生産地の一部で乾燥気候が続いていることから、11月中はおおむねブッシェル当たり6ドル割れで推移していたトウモロコシ価格は再び上昇し、1月に入って6ドル50セント前後までの水準に達した。今後の南米地域の天候やトウモロコシ需給がひっ迫している中国の買い付け状況次第では、トウモロコシ価格はさらに上昇する見込みである。 |
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