米国農務省世界農業観測ボード（USDA／WAOB）は1月12日、2011/12穀物年度（2011年9月〜2012年8月）1月の世界主要農作物月次需給見通しを公表した。USDA／WAOBは世界のトウモロコシ生産量を752万トン、期末在庫を95万トンそれぞれ上方修正した。また、大豆の生産量については222万トン、期末在庫は111万トンそれぞれ下方修正した。

トウモロコシはアルゼンチンが 生産量を300万トン下方修正

　トウモロコシの生産量については、南米、特にアルゼンチンが高温・乾燥による懸念から生産量を前月の値から300万トン減らす。一方、米国は123万トン増、EUは42万トン増、そしてロシアやウクライナは合せて前月の値から188万トン上方修正している。この結果、世界全体の生産量については54万トンの上方修正となる。

表8　世界の主要飼料穀物の需給見通し（2012年1月12日米国農務省公表）

資料：USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」 　 注：年度は、世界各国の穀物年度の単純合計

表9　世界の主要飼料穀物の国別需給見通し（2012年1月12日米国農務省公表）

資料：USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」 　 注：年度は、世界各国の穀物年度の単純合計

　輸入については、シリアや台湾が減少したものの中国が100万トン増となるなど全体では50万トン増の9211万トンとなる。輸出については、アルゼンチンが減少するものの、米国やロシアが増加し17万トン増の9491万トンとなる。

　これらの結果、世界のトウモロコシの期末在庫は95万トン増の1億2814万トン（前年比0.1％増）、世界の期末在庫率は13.3％となり2カ月連続で改善される。ただし、在庫量は依然として少なく、過去5年で最小の在庫率であることに変わりはない。

大豆は期末在庫をわずかに下方修正

　大豆の生産量については、トウモロコシと同様の理由で220万トンの下方修正で世界全体では2億5700万トンとなる。アルゼンチンは150万トン減の5050万トンとなった。これは、12月を通して大豆の主産地を襲った熱波による単収の減少のためである。ブラジルは、100万トン減の7400万トンとなった。これは、2番目に大きな生産量のパラナ州での熱波による被害が大きかったことによる。

　米国とアルゼンチンが輸出を減少した一方、ブラジルは増加した。輸入については、EU、ロシア、台湾、日本、トルコで減少する。中国の輸入見込量は前月の値が据え置かれているが、世界全体の輸入量の6割を占める最大の輸入国である。

　期末在庫については、米国が積みましたものの、ブラジルとアルゼンチンが減少し、全体では70万トンの下方修正となり、7480万トン（前年比7.5％減）となる。期末在庫率は先月の18.1％から17.9％にわずかに減少する。