需給動向 海外 |
2011/12年度の乳製品生産量は、チーズ、全粉乳が増加見込み
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2011/12年度の生乳生産量、935万キロリットルへ上方修正豪州農業資源経済科学局(ABARES)が12月13日に発表した畜産物の需給見通しによると、2011/12年度(7〜翌6月)の生乳生産量は、前年度比2.7%増の935万キロリットルと、前回予測(2011年9月下旬)から5万キロリットル上方修正された。 これは、シーズン当初(7〜10月)の生産量が、前年同期比2.8%増の339万6千キロリットルと、前年を上回る水準で推移していることや、乳牛1頭当たりの乳量の増加が見込まれることによるものである。7、8月の生産量は、前年度並みで推移したが、9月に入り主要生産地(ビクトリア州北部およびニューサウスウェールズ州南部)で降雨に恵まれたことなどから、前年を上回って推移した。 仕向け先別にみると、飲用向けは、スーパーマーケットによる安売りなどの影響により前年度を1.8%上回るものの、わずかな増加にとどまり、加工向けは、同3.0%増の699万キロリットルと増加する見込みである。
乳価(生乳ベース)については、低下が予測される国際価格の影響や豪ドルが引き続き高値で推移するとの見方から、前年度比3.9%安の1リットル当たり41.5豪セント(34円:1豪ドル=81円)と見込まれている。前回調査からも2.4豪セント(2円)下方修正した。 2011/12年度のバター生産量は、前年を下回る国際価格を反映し減産見込み2011/12年度の乳製品国際価格についてABARESは、バターが前年度比10.3%安の1トン当たり4,200米ドル(33万2千円:1米ドル=79円)、チーズが同0.7%安の4,190米ドル(33万1千円)、全粉乳が同4.5%安の3,600米ドル(28万4千円)、脱脂粉乳が同1.2%安の3,350米ドル(26万5千円)と、軒並み前年度を下回ると予測している。これは、ニュージーランド、米国などの主要乳製品輸出国の増産が見込まれるためである。しかしながら、2009/10年度と比べると依然として高水準となっている。
2011/12年度の乳製品生産量について、バターは、国際価格がかなり低下する見方から、前年度比0.8%減の12万1千トンを見込んでいる。 一方、全粉乳およびチーズは増産が見込まれる。全粉乳は、引き続き中国などの新興国からの引き合いが強いとみられることから、同3.3%増の15万6千トンと予測される。チーズは、ロシアの需要増を背景とした国際価格の高止まりにより、同3.6%増の35万トンと増加する見込みである。 |
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