需給動向 海外 |
11月の牛肉輸出量は2008年11月以降では最高に
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11月の肉牛と畜は供給がタイト豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、クイーンズランド(QLD)州、ニューサウスウェールズ(NSW)州およびビクトリア(VIC)州の11月1週目から4週目のと畜頭数計は、前年同期比4.0%減の52万3千頭となった。良好な放牧環境による肉牛の出荷抑制や、穀物収穫や降雨による出荷作業の停滞などから、と畜業者への肉牛供給はタイトになっている。 州別にみると、NSW州やVIC州のと畜頭数は、依然として牛群再構築の動きがみられることから、それぞれ同12.7%減の14万8千頭、同4.7%減の8万6千頭となった。一方、QLD州では同1.4%増の28万9千頭とわずかに増加した。
と畜場直行牛価格は上昇降雨などによると畜頭数の減少から、頭数確保を図ると畜業者は、と畜場直行牛の価格を引き上げた。11月の平均枝肉価格は、若齢牛(ミディアム、220〜260kg)でキログラム当たり334豪セント(269円;1豪ドル=80.6円)、肥育牛(ヘビー、300〜420kg)で同341豪セント(275円)と、いずれも前年同月を約1割上回った。 11月の牛肉輸出量は3カ月連続で前年を上回る豪州農漁林業省(DAFF)によると、11月の牛肉輸出量(子牛肉含む。船積み重量ベース。以下同じ)は8万9747トン(前年同月比1.4%増)となり、2008年11月以降の3年間では最高となった。牛肉輸出は、豪ドルが7月後半には1豪ドル当たり1.1米ドルを超える高値で推移し、豪ドル高米ドル安の影響で日本などの主要市場で米国産にシフトするなど豪州産の需要が低迷したことから、4月以降5カ月連続で前年を下回った。しかしながら、9月には同0.9米ドル台まで値を下げて豪ドル高が一服したことから、輸出量は9月以降3カ月連続で前年同月を上回った。
輸出量を国別でみると、主要輸出国の日本向けは3万3519トン(同7.0%減)となり、11月単月では過去最高を記録した前年度(3万6050トン)と比較すると減少となったものの、過去5年平均とほぼ同水準となった。このうち、冷蔵グレインフェッド牛肉が、豪ドル高の一服により前年同月比17%増の9099トンと大きく伸びた。また、冷凍グラスフェッド牛肉は、ファストフードを中心とした加工用牛肉需要が堅調なことから、同5%増の1万7245トンと増加した。 米国向けは、低水準であった前年同月と比較すると80.4%増の1万6712トンと大幅に増加したが、過去5年平均を7.5%下回った。 韓国や台湾、中東向けは2011年を通して好調であり、11月についてもそれぞれ同4.1%増の1万2580トン、同22.1%増の3823トン、同18.6%増の2926トンとなった。 |
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