需給動向 海外 |
◆ブラジル◆
2011年第3四半期の輸出額は、前年同期比7.9%増 |
第3四半期、輸出単価の上昇により輸出額増加2011年第3四半期(7〜9月)のブラジルの鶏肉輸出は、主要輸出先であるロシアやエジプト向けが減少したことから、輸出量が前年同期比8.2%減の87万2821トンとなった一方、輸出額は、輸出単価の上昇から同7.9%増の17億1368万7000ドル(約1354億円:1ドル=79円)となった。第1、2四半期は輸出量および輸出額が増加したものの、第3四半期は輸出量が減少した。 国別にみると、最大の輸出先であるサウジアラビアが、第1、2四半期と同様、同20.2%増の17万4259トンとなった。一方、それに次ぐ日本向けは同9.7%減の9万146トンとなった。香港向けは同31.5%増の9万6053トンとなった。また、中国向けは、今年4月に中国向け輸出認定施設が増加したことから、同64.6%増の5万6716トンと、大幅増となった。
対日輸出は8月に減少するも、9月に回復第3四半期における対日輸出は、8月の輸出量および輸出額がともに7月に比べかなり減少したものの、9月は7月の水準に回復した。 7月時点で、日本国内の鶏肉の推定期末在庫量は前年同月比約15%増、輸入鶏肉だけみると同約23%増とかなり大きく増加した。これは、東日本大震災により東北地方のブロイラー産地が大きな被害を受け、当面の鶏肉供給の不安から、4〜6月はブラジル産鶏肉の買いが進んだことによる。 一方、ブラジル国内の鶏肉生産者価格は、今年に入り2011年2月の1キログラム当たり2.05レアル(約84円:1レアル=41円)をピークに下落に転じ、同年7月には同1.65レアル(68円)となった。 このようなことから、日本向けの輸出価格の下げを期待した輸入業者と、価格を維持したい輸出側の契約が折り合わず、一時的に取引が止まったことが、8月の価格の大幅下落につながったとみられる。 しかし、年末需要に向けて、9月には在庫確保の動きから取引が成立し始め、対日輸出価格は再び上昇した。
BRFは生産拠点をアルゼンチンにも拡大このような中、国内最大手の鶏肉パッカーであるブラジル・フーズ(BRF)は10月3日、旧親会社であるSadia Alimentos SA社を通じ、アルゼンチン鶏肉業界第6位の鶏肉パッカーAVEX社を5530万ドル(43億6900万円)で買収したと発表した。BRFは、アルゼンチンにおいても鶏肉生産の拠点ができたこととなる。 BRFは、(1)アルゼンチンの豊富な飼料穀物を利用したインテグレーションによる価格優位性、(2)ドル高・アルゼンチンペソ安といった輸出に有利な為替相場−などから、輸出拡大を期待しアルゼンチンに進出したものと考えられる。 (参考)機構HP 海外情報「ブラジル・フーズ社、アルゼンチンに進出」(2011年11月7日)
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