需給動向 海外

◆飼 料◆

トウモロコシは、中国の生産量が大幅に上方修正され、世界の期末在庫はやや改善


◇絵でみる需給動向◇


 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は12月9日、2011/12穀物年度(2011年9月〜2012年8月)12月の世界主要農作物月次需給見通しを公表した。USDA/WAOBは世界のトウモロコシ生産量を850万トン、期末在庫を562万トンそれぞれ上方修正した。また、大豆の生産量については31万トン、期末在庫は98万トンそれぞれ上方修正した。

表10 世界の主要飼料穀物の需給見通し(2011年12月9日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
  注:年度は、世界各国の穀物年度の単純合計

中国の生産量を大きく上方修正
―トウモロコシ

 トウモロコシの生産量については、中国が豊作を反映して生産量を前月の予測値から725万トン増やした。中国の生産量見込みは3カ月連続で引き上げ、この3カ月で1375万トンの増産となる。EUについては100万トン、カナダについては70万トン上方修正した。この結果、世界全体の生産量については853万トン上方修正した。

 輸入については、EUの増産に伴う輸入減と、消費については中国の飼料向け200万トン増となっている。

 これらの結果、世界のトウモロコシの期末在庫は562万トンと大きく上方修正して1億2719万トン(前年比0.8%減)となり、世界の期末在庫率は先月の12.6%から13.2%に改善された。ただし、引き続き在庫は少なく、過去5年で最小の在庫率となっている。

表11 世界の主要飼料穀物の国別需給見通し(2011年12月9日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
  注:年度は、世界各国の穀物年度の単純合計

大豆は期末在庫をわずかに上方修正

 大豆の生産量については、中国は50万トン引き下げたもののカナダとインドが引き上げた結果、世界の生産量を31万トン上方修正した。

 輸入については、EUの輸入減により全体では25万トン下方修正した。

 輸出については、ブラジルの輸出見込み量を50万トン引き上げたことなどから、世界全体では9万トン上方修正した。搾油向けについては、米国、中国、EUなどの引き下げで、全体で138万トン下方修正した。

 在庫については米国やEUが引き上げ、全体では98万トン上方修正し6454万トン(前年比5.7%減)となった。期末在庫率は先月の17.8%から18.1%にわずかに改善した。


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