需給動向 国内 |
10月の豚肉家計消費、前月比・前年同月比ともに増 |
豚枝肉の卸売価格(東京・大阪市場省令規格加重平均。以下同じ。)は、8月まではキログラム当たり500円前後と堅調に推移していたものの、例年どおり9月から低下し、10月は同373円(前年同月比14.6%安)、11月は同398円(同8.9%安)と、2カ月連続で400円を下回った。その後、年末に向けての手当てや、気温低下に伴う鍋物需要の高まりから価格は回復傾向にあり、12月は同447円(13日までの平均価格)となった(農林水産省「食肉流通統計」ほか(11、12月は速報値)、図2)。
一方、機構が実施している「食肉販売状況調査」によると、国産豚肉の小売価格(特売価格)は、22年度は、多くの部位で1〜5%前年を下回って推移したが、23年度(4〜10月)は、すべての部位で2〜6%前年を上回って推移している。一般に小売価格の変動は小さいといわれている中で、小売店は販売価格をわずかながら上げている傾向が見受けられる。 卸売価格が9〜11月に低価格で推移した一方、小売価格が年度を通じて堅調に推移している背景として、豚肉の家計消費の動向が挙げられる。10月の豚肉の家計消費は、全国1人当たり546グラム(同2.4%増)と、4カ月連続で前月を上回り、10カ月連続で前年同月を上回った(総務省「家計調査報告」)。 また、機構が実施している「食肉小売販売動向定点調査(POS)」によると、豚肉の購買数量(POSレジ通過1,000人当たり)は、23年1月以降前年を上回って推移しており、11月は前年同月比8.4%増、12月第1週は同7.9%増となった(図3)。
以上のように、豚肉の家計消費は堅調に推移しており、消費者の低価格志向や、放射性セシウム検出問題による牛肉からの代替需要などが背景にあると考えられる。
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