第2四半期の生乳生産量は前年比増の見込み
インド農業省畜産酪農・漁業局によると2011年の生乳生産量は、飼養頭数(乳牛・水牛)の増加、モンスーン期の降雨回復による牧草の生育が良好であったことなどから、増産となり、前年比4.5%増の1億2180万トンであった。
2012年第1四半期(1月〜3月)の生乳生産量は、前年同期比1.7%増の3097万トンとなり、第2四半期は同8.7%増の1867万トンと見込まれている。
また、生産戸数の増加に伴って飼養頭数は伸びており、2012年の生乳生産量は1億2729万トンと2011年の水準をやや上回るものと予測されている。
増産の背景には、牛乳・乳製品の1人当たりの消費の増加がある。2011年は1人当たりの牛乳・乳製品の消費量は前年比3.6%増の1日当たり286gとなった。ここ数年、右肩上がりで伸びている。
国民の消費拡大を背景に、今後、生乳需要は年5.5%増加すると見込まれている。
図14 生乳生産量 |
(単位:千トン)
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資料:インド乳業協会他、機構調べ
注:2012年は予測値である。
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図15 飼養頭数と生産戸数の推移 |
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資料:インド農業省畜産酪農・漁業局
注:生産戸数は、統計上15頭以上飼養している者を計上している。
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図16 人口と1人当たりの牛乳・乳製品の
消費量の推移 |
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資料:機構調べ
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2012年国家乳業計画策定
政府は2012年、生乳生産体制の強化を目標として、「国家乳業計画」を策定し、需要増に応える生産振興策を打ち出した。今後、15年間で204億ルピー(320億円:1ルピー=1.57円)をかける。
具体的な取組みとしては、主要産地(14州)で、品種改良による生産性の向上、牧草地の新たな開発による飼料の増産、衛生管理の徹底といった飼養管理水準の改善などである。今後10年で、生乳生産量1億8千万トンの達成を目指す。
生乳価格は下落基調、一方、脱脂粉乳価格は一段高
2011年は国際価格の上昇に伴い、国内生乳価格も上昇したため、2011年9月には過去最高値(キログラム当たり212ルピー:333円)を記録した。2012年は牧草の生育が良好であったことから、2012年初めにキログラム当たり170ルピー台の水準に下がり、5月時点では174ルピーとなった。今後、需要期の夏季に向けて、価格は上昇に転じるものと見込まれている。
一方、脱脂粉乳は、5月に入っても依然として同180〜295ルピー(平均238ルピー)と1年前より一段高で推移しているものの、国際価格が下落基調にあることから、今後、国内価格も150〜170ルピーまで下落すると見込まれている。
2012年の消費者物価指数(CPI)は、2月で前年同月比8.83%増、3月で同9.38%増、4月で同10.36%増と続伸しており、牛乳・乳製品の価格は昨年に比べ14.7%増となり、価格を堅持している一因となっているものと考えられる。
図17 生乳、脱脂粉乳及びバターの価格動向
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資料:インド乳業協会、機構調べ
注1:生乳価格は無脂固形物(SNF)換算
2:生乳は生産者販売価格、それ以外は卸売価格
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2011年度の脱脂粉乳の輸入量は前年に比べ63.1%大幅減
2010年度(4月〜翌3月)の脱脂粉乳の価格安定対策として、粉乳の5万トンの無税枠の措置(実績は約2万トン)により同年度の輸入量は増加傾向にあった。2011年度は、国内生産量(5万トン)及び初期在庫(7万トン)が需要(10万トン)を賄えたため、輸入量は大幅に減少した。
表10 脱脂粉乳の輸入量 |
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資料:商工省商務局外国貿易部
注:年度は4月〜翌3月
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表11 バターの輸出入量
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資料:商工省商務局外国貿易部
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