農林水産省が発表した「平成23年度チーズの需給表」によると、チーズの消費量は、前年度比8.8%増の28万4382トンと3年連続の増加となり過去最高を記録した。消費量の内訳を見ると、直接消費用ナチュラルチーズが同11.0%増の16万0830トン、プロセスチーズが同6.0%増の12万3552トンといずれも3年連続の増加となった。
供給面においては、平成23年度の国産ナチュラルチーズの生産量は、前年度比1.8%減の4万5425トンとなった。7年ぶりに減少したとはいえ、過去最高であった前年度に次ぐ2番目の数量でもあり、国内の生乳生産量は長期の減少傾向にあるが、その中ではチーズ用に仕向けられる割合が拡大しつつあるといえる。なお、国産ナチュラルチーズのうち、直接消費用のものは同4.1%増となったのに対し、プロセスチーズ原料用は同6.2%減となった。
また、輸入を含めたチーズ全体への市場での需要は底堅く、輸入量は前年度比11.7%増の21万1697トンとかなり大きな伸びを示し、4年ぶりに20万トン台に達した。この結果、チーズの総消費量に対する国産品の割合(ナチュラルチーズベース)は、前年度の19.0%から17.1%に低下した。
飲用牛乳などの市場が縮小する中において、チーズははっ酵乳と並んで需要拡大が見込まれる品目とされている。平成23年度は輸入品の割合が大きくなったが、今後の生乳生産の回復に伴う国産ナチュラルチーズの生産拡大が期待されるところである。
表1 チーズの国内生産量および輸入数量(平成23年度)
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図6 チーズ消費量の推移 |
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資料:農林水産省「平成23年度チーズの需給表」より農畜産業振興機構作成 |
図7 ナチュラルチーズの国内生産量および輸入量の推移 |
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資料:農林水産省「平成23年度チーズの需給表」より農畜産業振興機構作成 |
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