需給動向 海外 |
◆米 国◆
豚肉価格の低下により、2012年の輸出は好調を維持する見込み |
低下傾向にある豚肉および肥育豚価格 米国農務省経済調査局(USDA/ERS、以下「USDA」という)が5月16日に公表した「Livestock, Dairy, and Poultry Outlook」によると、2012年1月〜4月の豚肉生産量は前年同期比2.5%増の349万2千トンとなった。これは、1頭当たり枝肉重量が前年をやや上回ったこと(同0.3%増)に加え、前年から続く高水準の価格を背景に、と畜頭数が同2.3%増(3693万頭)と増加傾向にあることによる。
3月の輸出量は17カ月ぶりに前年同月を下回るも2012年の輸出量は
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図6 国別米国産豚肉の輸出量の推移 |
資料:USDA/ERS |
表3 米国産豚肉輸出量(1月〜3月) |
資料:USDA/ERS |
上位ファストフード店やスーパーマーケットをはじめとするフードサービス業界では、動物福祉の観点から、母豚の自由な行動が制限される妊娠豚房(妊娠中の母豚を分娩までの間飼養する個体管理用の単房。)の使用を反対する動きが広がっており、州によっては州法により同房の使用に罰則を設ける動きもみられている。
フードサービス業界について一例を挙げると、米国マクドナルド社は妊娠豚房を用いない豚の購入を徐々に進め、2017年までに妊娠豚房の段階的な排除を確約する生産者のみから購入すること、2022年までに妊娠豚房を用いない豚へ全て切替えることを決定した。
米国動物愛護協会(HSUS)をはじめとする動物愛護団体は、動物福祉の観点から妊娠豚の自由な行動が制限される妊娠豚房の使用に反対している一方、生産者の団体である全米豚肉生産者協議会(NPPC)は妊娠豚を適切に管理する観点から妊娠豚房使用の必要性を主張し、最近のフードサービス業界の動きに反対する声明を出している。
この様な動きがどこまで広がりを見せるかは明らかではないが、飼養方法の変更は設備投資を伴うものとなるため、生産現場への影響が懸念されるとともに、今後の生産動向を注視する必要がある。
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