需給動向 海外 |
4月の対日輸出は冷蔵グラスフェッドが大幅増
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4月牛肉輸出量は日本が再び1位に豪州農漁林業省(DAFF)によると、2012年4月の牛肉輸出量(子牛肉含む。船積み重量ベース)は、前月比13.7%減の7万1937トン(前年同月比2.5%減)となった。例年、4月はイースターやアンザックデーなどの祝日により生産量が減少するため、輸出量は落ち込む。下り幅は前年よりも小さかった。 主要輸出先別でみると、日本向けは2万4692トン(同6.4%減)、次いで米国向けは1万9154トン(同44.6%増)、韓国向けは7,542トン(同31.1%減)となった。 米国向けは2012年以降、豪州産加工用牛肉に対する旺盛な需要を背景に、2012年第1四半期は前年同期比76.1%増となった。3月単月では日本向けを抜いて1位となった。4月は引き続き堅調な需要をみせて、前年同月比4割増で落ち着いている。 一方、日本向けは、牛肉需要の低迷や米国産の輸入増から豪州産の需要が低下し、第1四半期は同17.0%減と大幅減で推移していたが、4月の下げ幅は前年から1ケタ台にまで回復した。これは、GWの需要を見込み、取引が進んだためとみられる。韓国向けは、韓牛の生産増、米国産の輸入増から、第1四半期が同38.8%減と大幅減で推移していた。4月の下げ幅も依然3割超であった。
対日輸出の内訳に、グレインフェッドの減産が影響豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、4月の対日輸出量の内訳は、冷蔵牛肉が1万680トン(前年同月比5.5%増)、冷凍牛肉が1万4012トン(同13.8%減)となった。また、冷蔵のうち、グラスフェッドは4,022トン(同21.3%増)、グレインフェッドは6,658トン(同2.1%減)となった。MLAは冷蔵グラスフェッド輸出量の大幅増をグレインフェッド牛肉の減産によるものとみている。 本年4月、豪州最大の食肉パッカーであるJBSが、国際市場のグレインフェッド牛肉需要の低下を理由に、ニューサウスウェールズ(NSW)州にあるプライムシティ・フィードロットを閉鎖した。クイーンズランド(QLD)州にある同社の食肉処理加工場ビーフシティでも、肉牛の1日当たりの処理頭数を1,092頭から900頭に減少させて操業している。また、他の食肉処理加工場でも数日間操業を停止している。こうしたことがグレインフェッド牛肉の生産減につながり、一時的に供給がタイトな状況となったと現地で報道されている。 フィードロット飼養頭数も減少豪州フィードロット協会(ALFA)は、全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2012年1〜3月)を公表した。これによると、2012年3月末時点の総飼養頭数は75万2113頭(前年同期比3.4%減)となり、前回調査(2011年12月末:79万975頭)から4.9%減となった。また、収容能力についても、125万5233頭(同4.0%減)となり、前回調査(131万3945頭)から4.5%減となったことがわかった。これには、前述のフィードロット閉鎖の他にも、大規模フィードロットで飼養頭数を大幅に減らしていることや、一時的な休業などが影響しているとみられる。 飼料穀物価格の下落はフィードロット業者の収益性を改善したとみられるものの、牧草肥育業者からの旺盛な需要から高止まりする肥育素牛価格や、豪ドル高による輸出需要の低下といった厳しい状況を反映した結果となった。
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