需給動向 国内 |
通常、4月の鶏卵相場は、後半に大型連休の需要により一時的に上昇するが、今年は例年より少し早く価格が上昇した。 全国農業協同組合連合会「畜産販売部情報」によると、平成24年4月の鶏卵の卸売価格(東京市場・M玉)は、12日にキログラム当たり175円から5円値を上げ180円となった以降は続伸し、19日には190円まで上昇した。その後、保合となったが大型連休後は、165円まで値を下げた(5月17日現在、図7)。 この価格上昇については、大型連休に対応した手当の他に、鶏卵関係者によれば長引く価格低迷を受け、社団法人日本養鶏協会が実施している鶏卵生産者経営安定対策事業の「成鶏更新・空舎延長事業」の発動を見込み、生産者が採卵鶏の淘汰を行うとして生産量の減小を見込んだ加工業者の手当買いも一因ではと推測している。 同事業の奨励金の交付対象となるには、鶏卵の標準取引価格(全農たまご株式会社の東京市場と大阪市場において販売された規格卵の加重平均価格を基に算出)が安定基準価格(キログラム当たり158円)を下回る30日前から、安定基準価格以上となる前日までに、採卵鶏を淘汰することが要件の一つとなっている。なお、同事業の標準取引価格は、4月2日時点では発動基準に近い162円であったが、東京市場の相場上昇により4月20日時点では179円にまで上昇したため、同事業の発動はなかった。 今後は気温の上昇に伴い鶏卵の不需要期を迎え、相場変動に影響を与える他の要素は特に見受けられないことから、卸売価格は下げ基調で推移するものと思われる。
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