需給動向 海外 |
2011/12年度の生乳生産および酪農家収入、州別で明暗
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2011/12年度の農家所得(全国平均)、昨年度に続いて高水準デーリー・オーストラリア(DA)によると、2011年3月の生乳生産量は前年同月比2.9%増の66万7000キロリットルとなった。2011/12年度(7〜6月)の累計(7〜3月)でも、750万5000キロリットルと前年同期を4.1%上回った。 また、豪州農業資源経済科学局(ABARES)が公表した農業経営に関する調査(ファームサーベイ)によると、2011/12年度の酪農家1戸当たりの農家所得(現金収入―現金支出)は、13万6000豪ドル(約1170万円、1豪ドル=86円)と見込まれる。これは、過去10年平均(9万8600豪ドル(約848万円)の約4割超である。
生乳生産、州別では差生乳生産においては州別で明暗が分かれている。最大の生産地であるビクトリア(VIC)州のほか、タスマニア(TAS)州、ニューサウスウェールズ(NSW)州の生乳生産量は、前年同期をそれぞれ4.7%、9.9%、5.4%上回るなど好調であった。一方で、南オーストラリア(SA)州、クイーンズランド(QLD)州、西オーストラリア(WA)州は、前年同期をそれぞれ0.9%、1.4%、6.8%下回った。 酪農家の経営収益性にも影響2011/12年度における酪農家の1戸当たり現金収入を州別に見ると、生乳生産の好不調を反映したものとなっている。 全国的に、乳価の値下がりによる減収が見込まれる中、良好な天候に恵まれて10%近くの増産となっているTAS州は、唯一現金収入が前年度を上回る(前年度比8.3%増)と見込まれる。VIC州、NSW州においては、現金収入の減収幅はそれぞれ、同1.4%減、同2.8%減とわずかであったが、減産となっている3州では、QLD州が同13.2%減、WA州が同7.1%減、SA州が同8.4%減と、かなりの減収が見込まれる。中でもQLD州は、減収に伴い、利潤が2万6000豪ドル(約224万円)のマイナスに転落する見込みである。QLD州の生乳生産は、飲用乳向けが主体となっているが、スーパーマーケットによる飲用乳の値下げなどから、取り巻く情勢は厳しいと言える。
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