需給動向 海外 |
トウモロコシ、大豆ともに南米の高温・乾燥気象による減産で、世界の期末在庫は減少
|
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2月9日、2011/12穀物年度(2011年9月〜2012年8月)2月の世界主要農作物月次需給見通しを公表した。USDA/WAOBは世界のトウモロコシ生産量を8億6411万トン(395万トン減)、期末在庫を1億2535万トン(275万トン減)とした。また、大豆の生産量については2億5147万トン(553万トン減)、期末在庫は6028万トン(315万トン減)とした。
トウモロコシ、アルゼンチンが生産量を400万トン下方修正世界のトウモロコシの生産量については、南米、特にアルゼンチンでの高温・乾燥気象により、生産量を前月の300万トン減に続き、今月はさらに400万トン下方修正した。これは12月下旬から1月上旬のトウモロコシの受粉期に重なった高温・乾燥気象により収量の減産が見込まれるためである。 最近は、トウモロコシの作付期を遅らせることにより、異常気象の被害を受けずに済んでいるものもある。また、この気象の影響は隣国のパラグアイにも及び生産量は40万トン下方修正している。EUやフィリピンではわずかに生産量を増やしているが、世界全体では減少している。 輸入についてはEUが大きく増やし、カナダは減らしている。輸出は、米国の130万トン増、ウクライナの200万トン増、EUの50万トン増、ブラジルの50万トン増、そしてロシアを20万トン増としており、これらでアルゼンチンの輸入量450万トンの減少を相殺している。 消費については、アルゼンチンとウクライナで飼料用を増やしているが、カナダが減らすなど全体では38万トン下方修正している。しかし、供給量の減産が大きく、トウモロコシの期末在庫は279万トン下方修正されて、在庫率は13.3%から13.0%と減少した。
大豆、期末在庫をわずかに下方修正世界の大豆の生産量については、主に南米の減産で553万トン下方修正して2億5147万トンとなった。アルゼンチンの生産量は前月の150万トン減に続いて今月は250万トン減の4800万トンとなった。最近の広範囲に渡って降った雨にも関わらず、作付期と生育初期の高温・乾燥気象により生産量を下方修正した。パラグアイとウルグアイの生産量も下方修正している。 輸出は、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイの減産を反映して下方修正している。輸入は、中国、EU、韓国、ロシア、そして中東諸国で下方修正した。中国は直近四半期の輸入実績が少なかったことから2011/12年度の輸入量を100万トン減の5550万トンに下方修正した。 ブラジルとアルゼンチンの期末在庫の下方修正を反映して世界の期末在庫も315万トン下方修正している。期末在庫率は先月の17.9%から17.2%へと2カ月連続で減少した。 |
元のページに戻る