需給動向 国内

◆鶏 卵◆

気温低下に伴い卸売価格が回復


◇絵でみる需給動向◇


 平成24年8月下旬以降、M玉以上のサイズの価格が堅調に推移している。鶏卵相場の主な指標とされるM玉 (全農・東京) は、1カ月余りの間におよそ40円上昇し、10月15日現在、前年同期を8円上回る、キログラム当たり193円となっている(図10)。既報の通り、8月下旬から9月中旬にかけては、夏場の卵重低下に伴う大玉の供給不足により価格が上昇した。それ以降は暑さが和らぎ、減退していた需要が徐々に戻ってきたことにより、引き続き値を上げたとみられる。また、量販店から月末の特売に向けた需要があったことなども、相場を押し上げる要素となったもようである。

 卵重低下により供給過多の状態が続いていたS玉、SS玉といった小玉も、9月中旬以降は卵重が回復し始めたため、荷余り感が解消され、9月19日以降上昇基調の値動きとなっている(図10)。 こちらも季節要因によるものであるが、今年は例年以上に厳しい残暑が続いたことから、価格が底を打つ時期が、例年と比較して20日程度遅かった。
図10 サイズ別卸売価格の推移(東京)
資料:全農「畜産販売部情報」
 このように鶏卵相場が上昇傾向で推移した結果、日別標準取引価格(全農たまご株式会社の東京・大阪市場における規格卵の加重平均価格)も9月26日にはキログラム当たり186円となり、今年度初めて、前年同期の同価格 (キログラム当たり180円)を上回った(図11)。
図11 鶏卵の卸売価格の推移(日別標準取引価格)
資料:社団法人日本養鶏協会

最需要期までの需要に注目

 例年、10月中旬から11月中旬にかけて、行楽需要が見込まれる一方で、8、9月と比較して生産量が大きく増加することから、相場は横ばい、もしくはやや下落する傾向にある。卵価の低迷や飼料価格の高止まりにより、鶏卵生産者にとって厳しい経営環境が続く中、11月下旬から年末にかけての最需要期に入るまでの需要が、どの程度価格の下支えとなるかが注目されるところである。


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