需給動向 国内 |
7月の豚肉の家計消費、前年比微減も5カ年比増総務省「家計調査報告」によると、平成24年7月の豚肉の一人当たり購入数量は、前年同月比1.0%減の487グラムとなった。牛肉からの代替需要で増加した前年同月の反動により、わずかに減少したものの、過去5カ年平均比では、3.6%上回っている。一方、一人当たり支出金額は、前年同月比6.3%減の606円と、かなりの程度減少し、過去5カ年平均比でも4.7%下回った。このため、購入単価(100グラム当たり)は、前年同月比6.1%安、過去5カ年平均比でも8.4%安となった。以上のことから、豚肉は例年を上回る数量が家庭にて消費されているものの、消費者の経済性志向から、比較的低価格の商品を中心に消費されているものと推察される。また、当機構調べ「食肉小売販売動向定点調査(POS調査、全国主要な地区の13量販店におけるレジ通過数量)」によると、平成24年7月の購買数量(レジ通過千人当たり)は、輸入品は同2.7%増の9.7キログラムと、3%近く増加した一方、国産品は21.5キログラムと、前年並みにとどまった。なお、部位別に見ると、比較的安価な焼き材の「ばら」のみ前年同月を上回っている。
これらの調査結果から、豚肉は、家庭において一定の数量が消費されているものの、国産品より輸入品、高価格の「ヒレ」・「ロース」より安価な「ばら」を中心に消費されているものと見受けられる。 7月の国産品の特売価格、おおむね低下こうした中、当機構調べ「食肉小売価格調査(全国の食肉専門店・量販店における通常の小売価格・特売時の小売価格の調査)」によると、主要な量販店の7月の特売価格は、輸入品はおおむね前年同月と同程度となった。一方、国産品は「ヒレ」・「ロース」・「ばら」を中心に同3〜13%の低下となった。特売の回数についても、国産品は輸入品に比べ、前年同月を上回る店舗が多い傾向にある。こうしたことから、量販店においては、国産品の特売価格を下げ、特売回数を増加させるなどの販売促進を行っているとみられる。8月は、「ばら」などの焼き材を中心に一定の需要が見込まれるものの、9月は、例年需要が落ち込む時期だけに、特売効果による家計消費の盛り上がりに期待したい。 ※総務省「家計調査報告」におけるデータは、全国の二人以上の世帯における一人当たり |
元のページに戻る