上半期の乳製品輸出額は5.7%増
アルゼンチン国家動植物衛生機構(SENASA)によると、2012年上半期(1〜6月)の乳製品輸出額は前年同期比5.7%増の約7億4600万ドル(589億3千万円:1ドル=79円)となった。
品目別でみると、脱脂粉乳を除いてかなりの増加となった。特に輸出量の5割を占める全粉乳は、主要輸出先国であるベネズエラ向け(シェア41.4%、輸出量ベース、以下同じ)が同72.2%と大幅に増加したこと、前年実績のないコロンビア向けがシェア6.1%を占めたことなどから、同22.1%増の9万7813トン、金額では同21.7%増の3億8702万ドル(約306億4千万円)となった。一方で、その他の上位輸出国であるアルジェリア向け(20.7%)、ブラジル向け(13.5%)はいずれも前年同期を下回り、ベネズエラとコロンビアの両国向けがけん引した形となった。
また、チーズ、バターもそれぞれ、同11.2%増の2万8724トン、同34.1%増の8410トンとかなりの増加となった。国別でみると、チーズはブラジル向けがシェア35.6%を占め1万211トン、ロシア向けが14.8%、メキシコ向けが10.4%、ベネズエラ向けが9.4%となり、これら4カ国で全体の7割を占め、バターについては、ロシア向けが20.5%、エジプト向けが12.8%、ブラジル向けが10.9%を占めた。
表11 主要乳製品輸出 |
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資料:SENASA
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生乳生産者価格は前年同期比増で推移
アルゼンチン農牧漁業省(MINAGRI)によると、2011年の生乳生産者価格(平均価格)は好調な輸出と堅調な国内乳製品消費を反映して大幅に上昇したが、2012年に入ってからも前年同期を上回る水準で推移している。ただし、上昇幅は小さく、2012年上半期(1〜6月)は前年同期比2.4%高の1リットル当たり1.56ペソ(約27円:1ペソ=17円)となった。
国内消費が鈍化傾向のため、輸出増を期待
2012年の生乳生産量は前年の120万キロリットルから、8〜10%増加するものとみられている。しかしながら、国内消費量の伸びは鈍化していくものと見込まれることから、生乳の増産分は粉乳類に加工され、輸出用に仕向けられるものと考えられる。
一方で、2011年1月に1ドル当たり3.9ペソであった同国の為替は、2012年7月には同4.6ペソと下落が続いており、為替環境は輸出に有利であることから、輸出の拡大が大いに期待されるとみられる。
図14 生乳生産者価格
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資料:MINAGRI
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