需給動向 海外 |
2012年のブラジル産のトウモロコシ輸出量が
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トウモロコシ輸出量は前年の2倍に達するブラジル開発商工省貿易局(SECEX)によると、2012年のブラジル産トウモロコシ輸出量は、前年を大きく上回る1978万トンとなり、過去最高記録を更新した。輸出拡大の背景には、米国の干ばつによるトウモロコシの減産とシカゴ相場の高騰があり、トウモロコシの代替輸入先として、供給量が豊富かつ比較的安価なブラジル産トウモロコシの需要が高まったためである。輸出国別にみると、日本向けが304万9000トンと最も多く、前年の約73万トンの4倍超となった。また、アジアからの引き合いも強まり、韓国向けが約20倍、台湾向けが前年比65%増と急増した。ほとんど輸入実績のなかった米国向けも72万7000トンとなった。 2013年1月の輸出量は337万トンとなり、前年同月の約4倍と、依然として高水準で推移している。米国産トウモロコシの輸出量と、米国の2012/13穀物年度(2012年9月〜翌1月累計)で比較してみると、ブラジル産は1688万トンと、同期間の米国産の860万トンとは2倍の開きがある。ただし、米国産の輸出量は、前年同期の半分以下で推移したが、3月以降、ブラジルは大豆収穫期となることから、輸出用サイロが価格の良い大豆を優先する可能性が高く、トウモロコシ輸出に影響する懸念がある。 2012/13年度のトウモロコシ生産量は過去最高の見込みブラジル食糧供給公社(CONAB)が発表した月例の主要穀物作付状況調査報告(2月7日発表)によると、2012/13年度(10月〜翌9月)のトウモロコシ生産量は、前年度比4.2%増の7601万1000トンと予測された。これは過去最高となった2011/12年度を上回る数量である。ブラジルでは第1期作(夏作)と第2期作(冬作)の年2回のトウモロコシ作付が行われる。第1期作は大豆の作付と競合するが、第2期作は大豆の後作として作付が行われるため、大豆とは競合しない。 今年度は夏作として、収益性がより高い大豆を選択した生産者が多く、第1期作トウモロコシの作付面積は減少した。一方、第2期作は大豆の作付が早生種にシフトしていることやトウモロコシ価格が堅調に推移していることから、作付面積が増加した。 1月末の時点で、第1期作トウモロコシの主要生産地域である南部ではトウモロコシは既に結実期から登熟期にあり、前年度と異なり、干ばつの影響を受けていない。このため、作付面積が減少したにもかかわらず、生産量は同3.6%増の3509万6000トンと見込まれている。 第2期作トウモロコシの主要生産地域である中西部では、大豆の収穫と同時にトウモロコシの作付けが進んでいる。第2期作トウモロコシの作付面積は、同8.5%増と予測されるものの、生産量は前年度が異例の豊作だったことから、作付面積の増加分に対応した増産は見込まれておらず、同4.6%増の4091万5000トンとされている。 |
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