トウモロコシの期末在庫は据え置かれる
USDA/WAOBの3月の月次報告によると、米国における2012/13穀物年度(9月〜翌8月)のトウモロコシと大豆の生産に係る数値は、既に収穫が終わっているため、すべて前月の予測値が据え置かれた。輸入量は2月の輸入実績を反映し、2500万ブッシェル(63万5000トン)上方修正された。消費量はブロイラーなどの生産量の増加を背景に飼料等向けが前月の予測値から1億ブッシェル(254万トン)上方修正された。一方、輸出量は米国産トウモロコシ価格の上昇による販売量の減退、ブラジル産の輸出拡大や飼料用小麦の価格優位性の高まりを受け、前月の予測値から7500万ブッシェル(190万5000トン)引き下げられた。今回、飼料等向けが増加したものの、輸入の増加と輸出の減少分がこれを埋め合わせる形となり、期末在庫および在庫率は前月の予測値が据え置かれた。
生産者平均販売価格は、米国産トウモロコシの需要の減退などを受け、上値が前月の予測値から0.20ドル引き下げられ6.75〜7.45ドル(628円〜693円:1米ドル93円)になると予測された。
1〜2月の中国向け輸出量は70万トンを記録
USDA/FASが3月7日に公表した週間トウモロコシ販売量によると、中国向け輸出量は1〜2月で70万トンとなった。米国産トウモロコシ価格(新穀)が市場取引され始めた10月頃は価格が高騰していたことなどにより、輸出量は低調であった。しかし、1月頃から輸出量の減退により米国産価格は下落し始め、一時、7ドルを割り込んだことから、中国向け輸出量は急増した。中国では、畜産物の需要などが高まっているため、2013/14年度の米国産トウモロコシが増産見通しとなり、USDAが2月23日に農業観測会議で公表した価格(1ブッシェル当たり4.80ドル、446円)まで下落した場合、更に輸入量は増加するものとみられる。
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