需給動向 海外

◆米 国◆

12月の輸出量は減少するも、年間輸出量は過去最高


◇絵でみる需給動向◇


12月、日本向け2割減

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が2月14日に公表した「Livestock, Dairy, and Poultry Outlook」によると、12月の豚肉輸出量は前年同月比13.6%減の19万3000トンとなった。米国内の11月および12月の生産量が前年同月を下回っていたことや、高値で推移する牛肉価格を背景に、代替として米国内の豚肉需要が比較的堅調に推移していたことが輸出量減少の要因とみられる。なお、日本向けが同20.9%減となり、かなりの減少となったことから、単月ではメキシコが最大の輸出先国となった。日本国内では豚肉の在庫量が比較的高水準で推移しており、12月の米国産豚肉への需要減少につながったと考えられる。
 2012年の豚肉総輸出量は、前年比3.7%増の244万2000トンとなり、過去最高となった前年を上回る結果となった。日本向けは前年から6.9%の減少となったが、その他の主要輸出先国であるメキシコおよびカナダ向けの増加が総輸出量の増加に貢献した。ロシア向けは同44.3%増と大幅に増加しており、8月のWTO加盟によりさらに増加することが期待されていた。しかし、ロシア政府は成長促進剤である飼料添加物のラクトパミンの使用を理由に米国産の輸入を停止しており、今後の輸出量に影響を与えると考えられる。

だぶつく在庫

 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2月22日に公表した「Cold Storage」によると、2013年1月末時点の豚肉在庫は、前年同月比3.4%増の27万5000トンとなった。通常、1月は米国のイースター休暇(3月31日のキリストの復活際にあたる日)に向けて在庫の確保が始まる時期だが、飼料穀物価格の高騰にもかかわらず2012年後半の豚肉生産量が前年を上回ったことなどが、過去を上回る在庫積み増しの要因となっているとみられる。在庫量を部位別にみると、もも肉は前年同月比9.7%増となっている。一方、調製品の原料となるばら肉は前年同月を大幅に下回っており、豚肉調製品の市場が好調なことがうかがわれ、今後ベーコンなどの価格が上昇する可能性がある。


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