需給動向 国内

◆鶏 肉◆

ブロイラーの1戸当たり飼養羽数は増加傾向が継続のもよう


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省が平成25年7月2日に公表した「畜産統計」によると、2月1日現在のブロイラー飼養戸数は2,420戸、飼養羽数は1億3162羽、1戸当たり飼養羽数は5万4400羽となった(図6)。なお、21年まで「畜産物流通統計」において公表されていたブロイラー飼養戸数・羽数を見ると、飼養戸数は減少傾向にある一方で、1戸当たり飼養羽数は年々増加しており、21年2月1日現在の同羽数は4万4800羽であった。前述の各統計は調査方法が異なるため、単純に数値を比較することはできないものの、1戸当たり飼養羽数の増加傾向は21年以降、現在に至るまで継続していることが推測される。

 また、地域別に見ると、飼養戸数、飼養羽数ともに最も多いのは九州、次いで東北で、両地域で全国の半分以上を占めており、この傾向は21年以前と同様であった(表4)。
図6 ブロイラーの飼養戸数・羽数の推移

資料:農林水産省「畜産物流通統計」(〜平成21年)
     農林水産省「畜産統計」(平成25年)
  注:数値は各年2月1日現在

表4 ブロイラーの地域別飼養動向

資料:農林水産省「畜産物流通統計」(平成21年)
     農林水産省「畜産統計」(平成25年)
注 1:数値は各年2月1日現在
  2:学校、試験場等の非営利的組織を含まない。

平成25年6月も鶏肉の相場動向は変わらず

 平成25年6月の国産鶏肉卸売価格は、低落傾向にあるもも肉は前月より23円安いキログラム当たり544円(前年同月比3.5%安)と、5カ月連続の下落となった一方、堅調に推移しているむね肉は4カ月連続の上昇で、前月より33円高い同264円(同51.0%高)となった(農林水産省「食鳥市況情報」、図7)。これにより、もも肉とむね肉の卸売価格の合計は2キログラム当たり808円(同9.4%高)となり、生産者の採算確保の一つの目安とされる800円は上回ったものの、飼料価格の高止まりなどにより経営環境は厳しい状態が続いているため、むね肉だけでなく、もも肉の一刻も早い相場回復が望まれている。

 例年、夏場は気温の上昇に伴い需要が減少するため、価格が下落基調となる傾向にある。さらに、昨年と同様、暑さによる増体率の鈍化を増羽により補い、生産量を維持することによって経営安定を図る動きも見られることから、7〜9月の生産動向が相場に与える影響が注目されるところである。

                                      (畜産需給部 山口 真功)

図7 鶏肉卸売価格の推移(月別)
資料:農林水産省「食鳥市況情報」
注 1:直近月は速報値である。
  2:消費税は含まない。


元のページに戻る