採卵鶏農家は大規模化が進む
農林水産省が平成25年7月2日に公表した「畜産統計」によると、2月1日現在の採卵鶏の飼養戸数および飼養羽数は、いずれも前年を下回った。飼養戸数は、飼料価格の高騰による廃業などから、2,650戸(前年比5.7%減)と、やや減少した。飼養羽数も、飼養戸数の減少により、1億7223万8000羽(同1.5%減)とわずかに減少した。このうち、成鶏めす飼養羽数は、1億3308万5000羽(同1.8%減)と、20年以降、減少傾向で推移している(22年は該当データがないため除く)。
この結果、1戸当たりの成鶏めす飼養羽数は、5万200羽(同2.0%増)と前年を上回り、大規模化が進んでいる(図10)。
図10 採卵鶏の飼養戸数、成鶏めす飼養羽数の推移
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資料:農林水産省「畜産統計」
注 1:数値は各年2月1日現在
2:成鶏めすとは種鶏を除く6カ月以上のめすをいう。
3:飼養戸数は、種鶏およびひな(6カ月未満)のみの飼養者および成鶏めす
羽数1千羽未満の飼養者を除く。
4:平成22年は世界農林業センサスの調査年のためデータなし。 |
地域別に見ると、飼養戸数は、前年に比べて全ての地域で減少した。成鶏めす飼養羽数は、東北、北陸、中国、沖縄が増加した一方、その他の地域では軒並み減少した。なお、全国の成鶏めす飼養羽数の5割を占める主要生産地域の関東・東山、東海および九州は、それぞれ3241万羽(同0.4%減)、1920万7000羽(同5.7%減)、1839万8000羽(同4.2%減)となり、いずれも前年を下回る結果となった(表5)。
表5 採卵鶏の地域別飼養動向
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資料:農林水産省「畜産統計」
注:数値は各年2月1日現在 |
価格は低水準も、採卵用めすひなえ付け羽数は減少が続く
飼養戸数、飼養羽数ともに減少する中、卸売価格は前年を下回る水準が続いている。平成25年5月における鶏卵のM玉卸売価格(東京)は、キログラム当たり164円(前年同月比2.4%安)と、3カ月連続で前年を下回っている(全国農業協同組合連合会「畜産販売部情報」)。
今後は、25年1〜5月の平均採卵用めすひなえ付け羽数が、775万羽(前年同期比3.2%減)と、前年を下回っていることから、生産量が減少し、価格が下げ止まることも考えられる。
(畜産需給部 岡田 岬)
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