米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は7月11日、2013/14穀物年度(2013年9月〜2014年8月)の国内外の主要農作物の需給見通しを公表した。これによると、米国のトウモロコシの生産量は、収穫面積の減少を受け、前月に続き下方修正となった。
トウモロコシ、収穫面積をわずかに下方修正
米国のトウモロコシ生産量は、単収が前月の予測値に据え置かれたものの、収穫面積が下方修正されたことにより、前月から5500万ブッシェル(140万トン)下方修正された。輸入量は、旧穀の在庫量のひっ迫が収穫期前の9月まで続くものとみられることから、前月より500万ブッシェル(12万7000トン)上方修正された。ただし、収穫予測は、天候不順などによる収穫放棄やサイレージとしての利用分を勘案したものであるが、WAOBの収穫率は干ばつによる生育不順が見込まれていない。
一方、トウモロコシ総消費量は、旧穀がひっ迫していることに加え、わずかに生産見通しが下方修正されたことを受け主に飼料等向けが下方修正されたことから、前月から1億ブッシェル(254万トン)下方修正された。しかし、飼料等向けでは、乳牛の牛群拡大を想定せずに前年並の水準の減少を見込んでおり、減少率が過大であるとの批判もある。このため、市場関係者は、WAOBの予測を上回る供給量を予想しており、今後、トウモロコシの市場価格が乱高下する可能性がある。エタノール向けおよび食品向けは、前月の予測値が据え置かれた。輸出向けは、新穀の収穫が例年よりも遅れ9月初旬の供給量の低下が見込まれることから、前月の値から5000万ブッシェル(127万トン)下方修正された。
期末在庫量は、総消費量が総供給量を下回っていることから、前月から1000万ブッシェル(25万4000トン)引き上げられ、期末在庫率は15.4パーセントへ上昇した。
また、生産者平均販売価格は、前月の予測値と据え置かれ1ブッシェル当たり4.40〜5.20ドルになると予測している。
(調査情報部 山神 尭基)
表16 米国におけるトウモロコシの需給見通し(2013年7月11日米国農務省公表) |
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資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
注:年度は、各年9月〜翌8月
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