需給動向 海外

◆世 界◆

世界のトウモロコシ期末在庫見通しは2001年度以降、過去最高


◇絵でみる需給動向◇


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が7月11日公表した「World Market and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量(2013/14年度)は、前年度比12.3パーセント増の9億5984万トンと見込んでいる(表14)。増産の要因として、米国および中国の生産量見通しが前月の予測値からわずかに下方修正されたものの、主要生産国で前年を上回る増産となるとみられることを挙げている。ただし、USDAは、ブラジルの生産量見込みを前回から変更しておらず、ブラジル穀物供給公社(CONAB)が発表した7月の生産量見込みを、700万トン下回る予測値に据え置いている。一方、同国の生産量は、CONABの見込みをさらに300万トン程度上回るとの観測もある。ブラジルの増産分は主に輸出向けとされる第二期作の生産量を反映していることから、米国の輸出見込みに大きな影響を与える可能性が大きい。

 輸入量は、主に中国で飼料向需要の増加が見込まれていることから、同4.8パーセント増の1億240万トンとしている。

 一方、輸出量は、増産が見込まれる米国およびウクライナに加え、欧州、インドなどでも前年を上回るとみている。消費量は、主要生産国で前年を上回ることから、同7.9パーセント増の9億3243万トンとしている。

 なお、期末在庫は、中国およびブラジルなどで減少が見込まれるものの、米国での増産が影響し、同22.2パーセント増の1億5097万トンとしている。

表14 主要国におけるトウモロコシの需給見通し(2013年7月11日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「World Markets and Trade」
  注:年度は、世界各国の穀物年度

大豆の輸入量はアジアで増加

 世界の大豆生産量(2013/14年度)は、トウモロコシへの転作により中国で減産となるものの、米国、南米およびカナダで前年を上回る増産が見込まれることから、前年度比6.7パーセント増の2億8589万トンと予測している(表15)。
表15 主要国における大豆の需給見通し(2013年7月11日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「World Markets and Trade」
  注:年度は、世界各国の穀物年度

 輸入量は、中国のほか、日本および台湾などで需要が増加するとみられることから、同11.3パーセント増の1億433万トンとしている。

 一方、輸出量は、増産が見込まれる米国および南米で、前年を上回るとみており、同11.0パーセント増の1億698万トンとしている。また、消費量は、アジアに加えメキシコやパラグアイでも増加が見込まれており同4.4パーセント増の2億3947万トンとしている。

 なお、期末在庫は、全ての主要生産国で前年を上回ると見込まれることから、同19.8パーセント増の7367万トンとしている。

                                      (調査情報部 山神 尭基)


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