需給動向 海外 |
◆米 国◆
豚飼養頭数、全体では前年並みも子取用雌豚は前年を上回る |
肥育豚頭数は10四半期ぶりに前年同期を下回る米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が6月28日に公表した「Quarterly Hogs and Pigs」によると、2013年6月1日現在の豚総飼養頭数は、前年並みの6664万7000頭となった(表9)。内訳を見ると、子取用雌豚頭数は前年同月比0.3パーセント増の588万2000頭と前年同月を上回ったが、肥育豚頭数は同0.1パーセント減の6076万5000頭と、10四半期ぶりに前年同期を下回った。 飼料コスト高の影響を最小限に抑え、子取用雌豚頭数は増加今後の飼養頭数の指標となる子取用雌豚頭数について、一部関係者は、昨夏からの干ばつによる飼料高で生産コストが上昇しているため、減少と予想していた。しかし、実際は、米国の生産者が、記録的な飼料価格が続く中で、トウモロコシ蒸留かす(DDGS)の利用を増加させるなど、飼料価格上昇の影響を最小限に抑える対策を行ったことから、前年を上回るものとなった。一方、肥育豚頭数については、増加との予測も出ていたが、わずかに減少する結果となった。肥育に向けられる50ポンド以下の離乳子豚頭数は、前年同期比1.0パーセント減の1967万6000頭となったが、要因としてカナダからの輸入減少や主産地での豚流行性下痢ウイルス(PEDV)の発生とみられている。 3〜5月期の1腹当たり産子数は過去最高を記録今回あわせて公表された3〜5月期の分娩母豚頭数を見ると、前年同期比2.1パーセント減の292万1000頭となった。一方、同期の離乳子豚頭数は0.1パーセント増の3011万1000頭であることから、同期の1腹当たりの産子数は、前年比2.2パーセント増の10.31頭と過去最高を記録した。関係者によると、1腹当たりの産子数は、今後も増加傾向で推移するとみており、9〜11月期の離乳子豚頭数は、2.2パーセント増が見込まれている。PEDVが沈静化に向かう中で離乳子豚頭数が増加基調であることから、今後の豚肉生産量は増加基調にある。(調査情報部 山ア 良人)
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