需給動向 国内

◆鶏 肉◆

平成25年度上半期の供給量・在庫量は減少、出回り量はわずかに増加


 平成25年度上半期(4〜9月)の鶏肉需給動向は、生産量および輸入量が減少し、出回り量はわずかに増加した。この結果、推定期末在庫量は大幅な減少がみられた。
 上半期の国内生産量は、71万2013トン(前年同期比0.5%減)と、東日本大震災の被害から回復した前年と同程度となった(図6)。

図6 鶏肉・鶏肉調製品輸入量および生産量の推移

資料:農林水産省「食鳥流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ
  注:輸入量および在庫量に鶏肉調製品は含まない。

 上半期の鶏肉輸入量は、20万4666トン(同4.5%減)と、やや減少した。輸入相手国別に見ると、約9割のシェアを占めるブラジル産が18万9582トン(同2.1%減)、米国産が1万2832トン(同21.5%減)と、共に前年を下回った。これは、為替が円安傾向に進んだことに加え、ブラジル産については、同国内の堅調な需要や生産コスト増に伴う現地相場高、米国産については、一部の地域における鳥インフルエンザ発生に伴う輸入禁止措置が要因とみられる。

 また、上半期の鶏肉調製品輸入量は、21万7442トン(同2.9%減)となり、過去最高であった前年をわずかに下回るものの、依然として外食・中食産業やコンビニエンスストアでの需要が堅調であることがうかがえる。

 上半期の推定出回り量は、93万29トン(前年同期比0.7%増)と、前年をわずかに上回った。また、鶏肉消費量の約4割を占める家計消費を見ると、上半期の全国1人当たりの鶏肉家計消費数量および金額は、共に前年を上回って推移しているものの、購入単価は100グラム当たり86円と、前年と同じであった(総務省「家計調査報告」)。このことから、低価格志向の消費トレンドは継続していることがうかがえる。

 9月末時点における推定期末在庫量は、12万4553トン(前年同月比19.0%減)となり、前年度の下半期以降、減少傾向が継続している。

国産もも肉は回復、国産むね肉は高水準で推移

 こうした需給状況の中、卸売価格は、国産もも肉については、6・7月は低水準であったものの、例年よりも1カ月程度早く底を打ち、10月には前年同月比14.5パーセント高のキログラム当たり615円と、順調な回復をみせている(図7)。一方、国産むね肉については、依然として加工向けに引き合いが強いことに加え、最近の健康志向の高まりに伴い、テーブルミートとしても消費されていることから、前年を3〜6割程度上回る高水準で推移している(図8)。

図7 鶏肉卸売価格の推移(もも)

資料:農林水産省「食鳥市況情報」

図8 鶏肉卸売価格の推移(むね)

資料:農林水産省「食鳥市況情報」

                                      (畜産需給部 山口 真功)

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